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上沢直之よりも防御率の高い投手はいるのか。3登板の5.2イニングで自責点13、防御率は20.65

宇根夏樹ベースボール・ライター
上沢直之(タンパベイ・レイズ)Feb 18, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月10日、上沢直之(タンパベイ・レイズ)は、5回裏から登板し、6回裏に2死満塁となったところでマウンドを降りた。上沢と交代したカルロス・ガルシアボビー・ダルベック(ボストン・レッドソックス)に投げた初球をレフト・フェンスの向こうまで飛ばされ、この試合の上沢の自責点は、2から5に増えた。

 その前の2登板と合計すると、上沢は、ここまで5.2イニングで自責点13、防御率は20.65だ。

 MLB.comによると、今春、5イニング以上を投げている投手は302人。上沢の防御率は、そのなかで最も高い。上沢に次ぐのは、コービン・バーンズ(ボルティモア・オリオールズ)とフレディ・ペラルタ(ミルウォーキー・ブルワーズ)の12.71だ。2人とも5.2イニングを投げ、自責点8を記録している。仮に、上沢が残した走者3人をガルシアが生還させなくても、上沢は5.2イニングで自責点10なので、防御率は15.88だ。

 バーンズとペラルタは、スプリング・トレーニングの結果をほとんど気にする必要がない。昨年まで、バーンズは、ブルワーズのエースだった。先月のトレードでバーンズがオリオールズへ移籍したことにより、ペラルタは、ブルワーズのエースとまでもいかなくても、エース格となった。どちらも、開幕戦の先発マウンドに上がることが確定している。

 けれども、上沢は、マイナーリーグ契約だ。防御率だけで判断されるわけではないが、打者36人に対して投げ、奪三振が6、与四球は7。その割合は16.7%と19.4%、9イニング平均の奪三振率と与四球率は9.53と11.12だ。また、被安打11本のうち、半数近くは長打。ホームラン3本と二塁打2本を打たれている。

 ちなみに、北海道日本ハム・ファイターズ時代の与四球の割合は、どのシーズンも9.5%に達したことがなく、2021年以降の3シーズンは8.0%未満だった。

 このままいくと、開幕ローテーションのみならず、ブルペンの一員として開幕ロースターに入ることも、できそうにない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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