今年のエンジェルスはひと味違う!? ここまで全チーム最多の30盗塁。昨年はリーグ最少だったが…
3月10日、3回裏に1死からヒットで出塁したルイス・レンヒーフォ(ロサンゼルス・エンジェルス)は、2死となった後、二盗を成功させた。
レンヒーフォの盗塁は今春初だが、エンジェルスの盗塁は30に達した。18試合で30盗塁だ。MLB.comによると、25盗塁以上のチームは他にない。シンシナティ・レッズの24盗塁が2番目に多く、あとの28チームは22盗塁以下。2盗塁のデトロイト・タイガースをはじめ、過半数の17チームはエンジェルスの半数に満たない。
昨年、エンジェルスが162試合で記録した盗塁は72に過ぎず、サンフランシスコ・ジャイアンツの57盗塁に次いで少なかった。ア・リーグに限ると、最少だったということだ。2018年の秋にマイク・ソーシア監督が退任後、エンジェルスは、80盗塁に達したシーズンがない。
ちなみに、過去5シーズン(2019~23年)にエンジェルスで最も盗塁が多かったのは、76盗塁の大谷翔平(現ロサンゼルス・ドジャース)だ。大谷に次ぐ2人、30盗塁のアンドルー・ベラスケスと26盗塁のデビッド・フレッチャーも、現在のエンジェルスにはいない。彼らは、ともにアトランタ・ブレーブスに在籍している。
今春の30盗塁の内訳は、ジェイク・マリズニックが5盗塁、ネルソン・ラーダが4盗塁、ジョー・アデルとカイレン・パリスが各3盗塁、ザック・ネトとジョーディン・アダムスが各2盗塁に、あとは11人が1盗塁ずつだ。他のチームに、5盗塁以上の選手はいない。
エンジェルスで2盗塁以上の6人中、開幕ロースターに入るのは2人だと思われる。ネトとマリズニック、あるいはネトとアデルだ。けれども、盗塁を試みている選手の多さ――成功ゼロの選手を含めるとさらに増える――は、今オフに就任したロン・ワシントン監督の意向を反映しているように見える。
ワシントンは、2007年から2014年まで――2014年はシーズン終盤まで――テキサス・レンジャーズで采配を振った。この8シーズンとも、レンジャーズの盗塁は80を下回ったことがなく、三桁に達した5シーズンのうち、3シーズンは140を超えた。