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野手から投手に転向した34歳の今春初登板は大乱調。初球を打者の頭にぶつけ…

宇根夏樹ベースボール・ライター
チャーリー・カルバーソン Jul 18, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年まで、チャーリー・カルバーソンは、内外野を守るユーティリティの野手だった。メジャーリーグで11シーズンを過ごし、586試合に出場。30本塁打を含む、301安打を記録した。

 現在のカルバーソンは、野手ではなく投手だ。年齢は34歳。来月、35歳の誕生日を迎える。1月下旬に、アトランタ・ブレーブスとマイナーリーグ契約を交わした。ブレーブスでは、2018~20年と2023年にプレーしている。

 これまでの登板は、皆無ではない。2018~22年にメジャーリーグで8登板と、2023年にマイナーリーグで4登板。それぞれ、計7.1イニングで1失点(自責点1)と計3.2イニングで5失点(自責点2)を記録した。上の写真は、その3登板目だ。

 3月9日のエキシビション・ゲームで、カルバーソンは、9回表のマウンドに上がった。初球を先頭打者の頭にぶつけ、2人目には4球を投げて歩かせた。3人目はいずれも空振りの3球三振に仕留めたものの、その後は、四球(4球)、二塁打(初球)、犠牲フライ(初球)。イニングを終わらせることができずに、マウンドを降りた。

 カルバーソンが開幕ロースターに入る可能性は、登板の前から、ほとんどなかった。皆無だったと言っていい。

 ブレーブスのブルペンは、クローザーのライセル・イグレシアス、セットアッパーのA.J.ミンタージョー・ヒメネスに、ピアース・ジョンソンアーロン・バマータイラー・マツェックディラン・リージャクソン・スティーブンスの5人で、8枠すべてが埋まる。レイナルド・ロペスがローテーションに入らない場合は、ロペスに代わり、マイナーリーグ・オプションがあるリーが外れるだろう。さらに、マイナーリーグ契約のケン・ジャイルズもいる。

 けれども、マイナーリーグで投げ続けていれば、カルバーソンにもチャンスは巡ってくるかもしれない。野手登板の時と同じく、速球は90マイルを超えていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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