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球団一筋だった40歳のスラッガーは母国の球団とマイナーリーグ契約。開幕ロースター入りの可能性は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーイ・ボトー Jul 28, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ジョーイ・ボトーは、2002年のドラフトでシンシナティ・レッズから2巡目・全体44位指名を受け、昨年まで、移籍することもFAになることもなく、過ごしてきた。2007~23年の17シーズンに、356本のホームランと459本の二塁打を打ち、通算出塁率は.409。2010年にMVPを受賞し、オールスター・ゲーム選出は6度を数える。

 今オフ、ボトーは、10年2億2500万ドル(2014~23年)の契約についていた年俸2000万ドル(解約金700万ドル)の球団オプションを破棄された。年齢は40歳だ。

 今月に入っても、ボトーは、FAのままだった。だが、ようやく球団が決まった。ESPNのバスター・オルニーが、トロント・ブルージェイズとノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待)つきのマイナーリーグ契約で合意、と報じ、ボトー自身も、Xに入団を示す書き込みをしている。そこに「マイ・ホームタウン・チーム」とあるとおり、ボトーは、トロントで生まれ育った。

 前日にこんな投稿をしていたのは、ジョークだったようだ。この時点で、契約はまとまりつつあったと思われる。

 ボトーは、一塁手だ。ブルージェイズの一塁には、ブラディミール・ゲレーロJr.がいる。DHも、空いてはいない。ブルージェイズは、1年1300万ドルの契約でジャスティン・ターナーを迎え入れている。ターナーは39歳。昨年は、146試合で23本塁打と出塁率.345を記録した。遊撃以外の内野を守ることができるが、昨年の先発出場は、DHが98試合、一塁が35試合、三塁と二塁は7試合と4試合だった。

 ボトーが開幕ロースターに入るとすれば、控えの一塁手としてだろう。現時点では、ボトーとダニエル・ボーゲルバックのどちらか一方、となる可能性が高そうだ。31歳のボーゲルバックも、マイナーリーグ契約。パワーがあり、選球眼に優れる左打者、という点も共通する。2人とも、ポジションは一塁に限定される。

 昨年は、ボトーが65試合で14本塁打と出塁率.314(四球率11.2%)、ボーゲルバックは104試合で13本塁打と出塁率.339(四球率13.2%)だった。今春、ボーゲルバックは、6試合で2本のホームランを打ち、出塁率.389を記録している。

 ボーゲルバックについては、こちらで書いた。

「菊池雄星とダニエル・ボーゲルバックが再びチームメイトに!? ボギーがジェイズとマイナーリーグ契約」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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