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30代の育成選手は12人。そのうち2人はWBC出場経験あり。4人は新天地で再スタート

宇根夏樹ベースボール・ライター
石川歩 MAR 12, 2017(写真:アフロスポーツ)

 各球団に在籍している育成選手は、計259人を数える(3月1日時点)。

 彼らのうち、最も若いのは、デービッド・アルモンテ(福岡ソフトバンク・ホークス)だ。2007年12月2日に生まれたので、今年のシーズン年齢(6月30日時点)は――現時点の年齢も――16歳ということになる。福岡ソフトバンクには、2007年3月27日生まれのホセ・オスーナもいる。こちらのシーズン年齢は17歳だ。

 ちなみに、東京ヤクルト・スワローズの支配下選手は、ホセ・オスナ。17歳のオスーナは「OZUNA」、31歳(1992年12月12日生まれ)のオスナは「OSUNA」だ。

 アルモンテを筆頭に、シーズン年齢が25歳未満の育成選手は198人いて、全体の4分3以上4分の3以上を占める。

 一方、シーズン年齢が30歳以上の育成選手も、皆無ではない。千葉ロッテ・マリーンズと中日ドラゴンズにそれぞれ3人、オリックス・バファローズに2人、あとは4球団に1人ずつ。合計すると、7球団に12人だ。

筆者作成
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 12人中4人は、前年とは違う球団に在籍している。二保旭は阪神タイガース→千葉ロッテ、鍵谷陽平は読売ジャイアンツ→北海道日本ハム・ファイターズ、井口和朋は北海道日本ハム→オリックス、板山祐太郎は阪神→中日と動いた。新天地でゼロからの再スタート、といったところだ。

 二保は、プロとしてのスタートも、育成からだった。2008年の育成ドラフトで福岡ソフトバンクに入団。2012年の夏に支配下選手となった。2015年は、一軍で44試合に登板している。鍵谷は、北海道日本ハムに復帰。2012年の入団から2019年6月にトレードで読売へ移籍するまで、在籍していた。一軍で40登板以上のシーズンは、2015~17年と2019~21年の6度だ。

 あとの8人は、前年に在籍していた球団と再契約を交わした。怪我→手術→リハビリの過程は、多くの選手に共通し、リハビリを終えてこれからプレーを再開する選手や、すでにプレーしているものの、支配下登録には至っていない選手もいる。

 石川歩(千葉ロッテ)は、2014~16年と2020年に規定投球回をクリアし、2016年は最優秀防御率(2.16)のタイトルを獲得した。2018~19年と2022年も、115イニング以上を投げている。岩嵜翔(中日)は、通算300試合に登板。福岡ソフトバンク時代の2017年は、どちらも両リーグ最多の72登板と40ホールドを記録した。

 岡田俊哉(中日)は、2013年と2015~16年と2019年に50登板以上。石川とともに、2017年のWBCに出場した。森脇亮介(埼玉西武ライオンズ)は、2020~22年の3シーズンとも、40試合以上に投げて二桁のホールドを記録し、昨年も、夏に離脱するまでに31登板で12ホールド。この4シーズン中、2021年以外の3シーズンは防御率1点台を記録している。

 12人のなかで一軍出場から最も遠ざかっているのは、岡田明丈(広島東洋カープ)だ。2017~18年に2シーズン続けて135イニング以上ながら、2019年は3登板。その後は、一軍で投げていない。2021年の秋にトミー・ジョン手術を受け、昨年は二軍で19試合に登板した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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