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宮﨑敏郎の「首位打者2度」と中村奨吾の「打率最下位2度」はどちらが珍しいのか。ともに昨年が2度目

宇根夏樹ベースボール・ライター
小林誠司 MAR 15, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 昨年、宮﨑敏郎(横浜DeNAベイスターズ)は、打率.326を記録し、6年ぶり2度目の首位打者を獲得した。1度目の2017年は、打率.323だった。

 昨年、中村奨吾(千葉ロッテ・マリーンズ)は、打率.220を記録し、4年ぶり2度目の打率リーグ最下位に位置した。1度目の2019年は、打率.232だった。

 今世紀に入ってから、首位打者を2度獲得したのは、宮﨑が10人目だ。彼らのうち、青木宣親(東京ヤクルト・スワローズ)の首位打者は3度。打率.344の2005年、打率.346の2007年、打率.358の2010年がそうだ。

筆者作成
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 一方、打率リーグ最下位が2度は、中村が今世紀7人目。首位打者ほどではないものの、そう少なくはない。7人中、谷繁元信炭谷銀仁朗(埼玉西武ライオンズ)、小林誠司(読売ジャイアンツ)の3人は捕手だ。谷繁の打率リーグ最下位は、横浜ベイスターズ時代の1994年に記録した打率.228も含め、キャリア全体で5度を数える。

筆者作成
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 ちなみに、セ・リーグの打率最下位は、20世紀最後も21世紀最初も同じ選手、土橋勝征だ。2000年に打率.225を記録し、2001年の打率は.249と上昇したものの、最下位という点は変わらなかった。

 もっとも、規定打席に到達しなければ、打率リーグ最下位に位置することはない。規定打席以上の選手の打率の順に並べれば、必ず誰かが最下位となる。

 2011年のウラディミール・バレンティンは、セ・リーグ最下位の打率.228と最多の31本塁打を記録した。2014年のアンドルー・ジョーンズは、打率.221こそパ・リーグ最下位ながら、出塁率.394はトップ3にランクインした。糸井嘉男の.424と柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)の.413に次ぎ、栗山巧(埼玉西武)の.394をわずかに上回った。

 なお、首位打者と打率リーグ最下位が1度ずつという選手もいる。今世紀は、ここまで2人。阿部慎之助は、2012年の打率.340がセ・リーグ1位、2014年の打率.248は最下位だ。村上宗隆(東京ヤクルト)は、2019年の打率.231がセ・リーグで最も低く、2022年の打率.318は最も高かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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