Yahoo!ニュース

佐藤輝明がリーチをかける「4年連続130三振以上」は誰が記録しているのか。中村剛也は2年連続が最長

宇根夏樹ベースボール・ライター
タフィー・ローズ MARCH 7, 2008(写真:アフロスポーツ)

 佐藤輝明(阪神タイガース)は、一軍1年目の2021年から、3シーズン続けて135三振以上を喫している。2021年が173三振、2022年が137三振、2023年は139三振だ。

 何年目からスタートしたかを問わず、3シーズン連続130三振以上は、見落としがなければ、佐藤が史上8人目。今年も継続すると、4シーズン連続は、タイロン・ウッズの6シーズン連続(2003~08年)とタフィー・ローズの5シーズン連続(2000~04年)に次ぐ。

筆者作成
筆者作成

 これだけ多くの三振を喫したのは、そのシーズンは基本的にレギュラーとしてプレーしたということだ。また、三振が多くても、ホームランや四球も多ければ、気にする必要はない気がする。

 ただ、佐藤のシーズン本塁打は、3シーズンとも20本以上ながら、いずれも25本には達していない。シーズン平均は22.7本だ。8人のうち、このストリーク中のシーズン平均本塁打が25本未満は、21.7本のマウロ・ゴメス(2014~16年)と佐藤しかいない。佐藤と同じく、ゴメスも阪神でプレーした。

 佐藤は、各シーズンの四球も55未満なので、多いとは言えない。こちらの平均43.3四球は、1992~94年のラルフ・ブライアントと並び、ストリーク中の8人のなかで最も少ない。とはいえ、佐藤のシーズン四球は25→51→54と増えていて、四球率も5.5%→8.5%→9.9%と上昇している。出塁率は、2021年の.284がセ・リーグで規定打席以上の32人中32位、2022年の.328が27人中18位、2023年の.339は27人中11位だ。

 なお、シーズン130三振以上の回数は、ローズが13シーズン中7度(2000~04、07~08年)、ウッズが6シーズン中6度(2003~08年)、ブライアントは8シーズン中5度(1989~90、92~94年)。ブライアントのシーズン180三振以上は3度を数え、1993年の204三振、1990年の198三振、1989年の187三振は、シーズン記録の歴代トップ3に位置する。2019年に村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)が喫した184三振を挟み、ブライアントは、1992年の176三振も歴代5位。村上が割って入るまでは、トップ4を独占していた。

 通算最多の2066三振を喫している中村剛也(埼玉西武ライオンズ)――通算2000三振以上は他に皆無――のシーズン130三振以上は、2008年(162三振)と2009年(154三振)、2011年(134三振)、2015年(172三振)の4度だ。2008~09年に続き、3シーズン連続130三振以上にリーチをかけた2010年は、85試合しか出場できず、三振は111にとどまったが、このシーズンの三振率31.4%は、中村が200打席以上に立った18シーズンのなかで最も高い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事