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ホームランが年々増えている選手たち。牧秀悟は22本→24本→29本。大城卓三は5年続けて増加中

宇根夏樹ベースボール・ライター
大城卓三 MARCH 12, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 佐藤輝明(阪神タイガース)と牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)は、一軍1年目の2021年から2023年まで、3シーズンとも20本塁打以上を記録している。佐藤が24本→20本→24本、牧は22本→24本→29本。佐藤は、2022年が前年マイナス4本、2023年はプラス4本だが、牧は、両シーズンとも前年から増えている。それぞれ、プラス2本とプラス5本だ。

 牧の連続プラスは、ホームランにとどまらない。二塁打は35本→36本(プラス1本)→39本(プラス3本)、長打は60本→61本(プラス1本)→71本(プラス10本)と右肩上がりを続けている。

 2シーズン続けて前年プラスのホームランは、牧だけではない。例えば、ホセ・オスナ(東京ヤクルト・スワローズ)がそう。日本プロ野球1年目の2021年は13本、2022年は20本(プラス7本)、2023年は23本(プラス3本)だ。ちなみに、メジャーリーグの4シーズン(2017~20年)は、7本→3本→10本→4本だった。

 1年目からかどうかを問わず、ホームランが2シーズン連続のプラスは、他にもいる。

 なかでも、牧やオスナほど本数は多くないものの、大城卓三(読売ジャイアンツ)は、前年プラスを5シーズン続けている。一軍1年目の2018年に4本塁打を記録し、その後の本数は、6本(プラス2本)→9本(プラス3本)→11本(プラス2本)→13本(プラス2本)→16本(プラス3本)と推移している。今年も、これまでと同様のプラス2本かプラス3本なら、シーズン本塁打は18本か19本となる。

 大城のこのストリークは、見落としがなければ、継続中では最も長い。なお、0本の翌シーズンは、マイナスにはなり得ないので、ストリークにはカウントしていない。0本→5本→14本→25本の場合、0本→5本は含めず、5本→14本(プラス9本)と14本→25本(プラス11本)の2シーズン連続としている。これは、万波中正(北海道日本ハム・ファイターズ)の本数だ。0本の2020年は、一軍出場がなかった(出場2試合の2019年も0本)。2シーズン続けてプラス9本以上は、万波しかない。

 他に、頓宮裕真(オリックス・バファローズ)は、前年プラスを3シーズン続けている。これまでの本数は、3本→2本→5本→11本→16本。1軍2年目の2020年はマイナス1本だが、その後は、プラス3本、プラス6本、プラス5本だ。

 このストリークを3シーズン以上にわたって継続している選手は、大城と頓宮の2人しか見つからなかった。安田尚憲(千葉ロッテ・マリーンズ)のホームランは、1本→6本→8本→9本→9本なので、4シーズン続けて前年マイナスではないものの、2023年は前年プラスではない。プラスもマイナスもゼロだ。

 なお、万波のように、2023年のホームランが前年から10本以上増えた選手については、こちらで書いた。

「前年からホームランが10本以上増えた選手と減った選手。近藤健介のプラス18本を上回ったのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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