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昨年の月間最多ホームランは6月に15本の大谷翔平。月10本以上は延べ20人。4人は二桁の月が2度

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)Aug 25, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年、大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現ロサンゼルス・ドジャース)は、6月に15本のホームランを打った。この本数は、他の5ヵ月――3月と4月、9月と10月は、それぞれ1ヵ月として数えている――を含め、2023年の月間最多だ。次に多いのは、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)とホルヘ・ソレーア(当時マイアミ・マーリンズ/現FA)による5月の12本塁打なので、大谷とは3本の差がある。

 2023年に月間二桁本塁打の16人と、それぞれが各月に記録したホームランの本数は、以下のとおり。

筆者作成
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 月間二桁が2度の4人中3人、マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)は、シーズン全体で45本以上のホームランを打った。シーズン本塁打が大谷より多かったのは、彼らだけだ。

 あとの1人、ソレーアは、5月と8月に二桁、12本塁打と10本塁打ながら、シーズン全体では40本塁打に届かなかった。6ヵ月のうち、9・10月は出場12試合で40打数だが、それまでの5ヵ月は、いずれも23試合以上に出場し、打数は84以上だった。

 ちなみに、大谷は、9・10月が出場3試合で8打数。最後まで健康に過ごすことができていれば、シーズン本塁打は45本を超えていた可能性が高い。2021年も2022年も、少なくとも月に4本のホームランを打っている。

 一方、マーセル・オズーナ(ブレーブス)は、二桁本塁打の月こそ皆無ながら、シーズン全体では40本のホームランを打った。各月の本数は、2本→9本→5本→6本→9本→9本と推移。月間9本塁打以上が3度は、オルソン、アロンゾ、ムーキー・ベッツ(ドジャース)の3人と同じだ。

 ベッツと同様に、シーズン40本塁打まであと1本に迫ったアドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)は、月間二桁だけでなく9本塁打もなく、3・4月の8本塁打が最も多かった。ただ、5本塁打未満の月はなく、8本→6本→6本→5本→7本→7本とコンスタントに打ち、迎えたポストシーズンでは、15試合で8本塁打を記録した。1度のポストシーズンで8本塁打は、歴代2位タイ。2020年に20試合で10本塁打のランディ・アロザレイナ(タンパベイ・レイズ)に次いだ。

 ガルシアについては、こちらでも書いた。

「元・読売のガルシアの2年1400万ドルは安い!? 過去3年に97本塁打。昨年はポストシーズンで8本」

 日本プロ野球の月間本塁打については、こちら。

「昨年の月間二桁本塁打は8月の岡本和真だけ。最初の月にシーズン全体の半数を打ったのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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