200奪三振以上のルーキーは1900年以降18人。野茂、松坂、ダルビッシュ、千賀もそう。次は山本か…
昨年、千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)は、202三振を奪った。それまで、メッツでシーズン200奪三振以上のルーキーは、1984年に276奪三振のドワイト・グッデンしかいなかった。
メジャーリーグ全体でも、この人数は多くない。千賀は、1900年以降の18人目だ。ルーキーのシーズン奪三振トップ20は、以下のとおり。
この場合のルーキーは、メジャーリーグ1年目とは限らない。例えば、2022年に202奪三振のスペンサー・ストライダー(アトランタ・ブレーブス)――奪三振は2023年の千賀と同数だが、30イニング以上少ない――は、前年に2.1イニングを投げている。奪三振はなかった。
新人王の選考が始まった1947年以降は新人王資格を持つ投手、1946年まではメジャーリーグ1年目の投手を対象とした。
18人のなかには、日本プロ野球からメジャーリーグへ移った投手が4人いる。千賀の前の3人は、1995年に236奪三振の野茂英雄、2007年に201奪三振の松坂大輔、2012年に221奪三振のダルビッシュ有(当時テキサス・レンジャーズ/現サンディエゴ・パドレス)だ。
今年、山本由伸(オリックス・バファローズ→ロサンゼルス・ドジャース)は、この19人目となるかもしれない。過去4シーズンとも、山本は、パ・リーグで奪三振王のタイトルを獲得している。短縮シーズンの2020年が千賀(当時・福岡ソフトバンク・ホークス)と並ぶ149奪三振、2021年が206奪三振、2022年が205奪三振、2023年は169奪三振だ。
山本だけでなく、今永昇太(横浜DeNAベイスターズ→シカゴ・カブス)も、200奪三振以上のルーキーとなってもおかしくない。これまでのシーズン最多は2019年の186奪三振ながら、昨年の奪三振は山本より5多く、奪三振率も山本を上回った。山本が9.27、今永は10.58だ。
ポール・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)やカイル・ハリソン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)は、開幕あるいはシーズン序盤からローテーションに入れば、200奪三振以上の可能性あり、といったところだろう。
スキーンズは、昨年のドラフト全体1位だ。2023年は、ルーキークラスとAとAAの計6.2イニングで10三振を奪う前に、大学で122.2イニングを投げて209奪三振、奪三振率15.33を記録している。ハリソンは、昨年8月にメジャーデビューした。2023年は、AAAの65.2イニングで105奪三振(奪三振率14.39)、ルーキークラスの2.0イニングで4奪三振、メジャーリーグの34.2イニングで35奪三振(奪三振率9.09)だった。
なお、200奪三振以上のルーキーのうち、新人王は5人。1955年のハーブ・スコア、1975年のジョン・モンテフュスコ、1984年のグッデン、1995年の野茂、1998年のケリー・ウッドがそうだ。
彼らの他に、1984年のマーク・ラングストン、2022年のストライダー、2023年の千賀は新人王投票2位、2012年のダルビッシュは3位だが、いずれも、投手ではリーグ最多のポイントを得た。ダルビッシュの上には、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)とヨエニス・セスペデスが位置した。2000年に194奪三振のリック・アンキールも、同様だ。こちらは、ラファエル・ファーカルに次いだ。