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通算安打がまったく同じ選手たち。最多は衣笠祥雄と福本豊の2543安打。他に2000本以上で並ぶのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
福本豊 APR 23, 1986(写真:山田真市/アフロ)

 衣笠祥雄福本豊は、異なるタイプの選手だった。通算本塁打は504本と208本、通算盗塁は266と1065。衣笠のホームランは福本の2倍以上、福本の盗塁は衣笠の4倍以上だ。ただ、通算安打は同じ。ともに2543安打を記録し、歴代5位に並んでいる。

 ちなみに、衣笠の通算504本塁打は、張本勲と同じだ。こちらは、歴代7位に位置する。張本は、3085安打と319盗塁を記録した。

 衣笠と福本を筆頭に、通算1500安打以上のなかには、同じ本数の選手たちが、13組いる。いずれも、2人ずつ。そのうちの4組は、一方が現役選手なので、それらを除くと、9組となる。2000安打以上が3組と、1500~1999安打が6組だ。

筆者作成
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 衣笠と福本は、学年こそ違うものの、どちらも、1947年に生まれた。一軍出場は、1965~87年と1969~88年だ。19シーズンが重なっている。だが、彼らは移籍することなく、それぞれ、広島/広島東洋カープと阪急ブレーブスでプレーした。2人は、1975年と1984年の日本シリーズで顔を合わせている――阪急の4勝0敗2分と広島東洋の4勝3敗――が、レギュラーシーズンで同じ試合に出場したことはない。交流戦は、まだ始まっていなかった。

 2157安打の2人、広瀬叔功秋山幸二は、通算出場も1試合しか違わず、球団名は変遷しているが、現在の福岡ソフトバンク・ホークスでプレーし、コーチと監督を務めたことが共通する。ただ、広瀬が最後のヒットを打った時、秋山は15歳だった。監督と選手、コーチと選手、コーチとコーチ、監督とコーチとして、南海/福岡ダイエー/福岡ソフトバンクに揃ったこともない。また、広瀬がすべてのヒットを南海の選手として打ったのに対し、秋山は西武ライオンズで1224安打と福岡ダイエーで933安打を記録した。

 2057安打の江藤慎一有藤通世/道世は、1970~71年と1976年に、ロッテ・オリオンズでともにプレーした。1971年は、内野両コーナーのレギュラーとして、2人とも130安打以上と25本塁打以上――江藤が131安打と25本塁打、有藤は135安打と27本塁打――を記録し、江藤は3度目の首位打者を獲得した。

 なお、2人ではなく、3人が同じ本数の通算安打は、古屋英夫小川博文城島健司の1406本が最も多い。

 通算本塁打が同じ本数の選手たちについては、4年前にこちらで書いた。

「通算本塁打が「同じ本数」の選手たち。最多は張本勲と衣笠祥雄の504本。山田哲人が並んでいるのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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