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MLBで投げる「NPBの奪三振王」は山本由伸と今永昇太が19人目と20人目。MLBでも奪三振王は2人

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)Dec 27, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年、山本由伸は、パ・リーグ最多の169三振を奪った。一方、今永昇太が記録した174奪三振は、セ・リーグで最も多かった。山本は、その前の3シーズンも、最多奪三振のタイトルを獲得している。

 彼らは、今年からメジャーリーグで投げる。ポスティング・システムを利用し、山本は、オリックス・バファローズからロサンゼルス・ドジャースへ移籍。今永は、横浜DeNAベイスターズからシカゴ・カブスへ移った。

 これまで、日本プロ野球で奪三振王となった後、メジャーリーグのマウンドに上がった投手は、18人を数える。直近の2人は、2023年にメジャーデビューした、藤浪晋太郎(現FA)と千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)だ。

 2002年のパ・リーグ奪三振王と2013~14年のセ・リーグ奪三振王、大阪近鉄バファローズで182奪三振のジェレミー・パウエルと阪神タイガースで183奪三振と226奪三振のランディ・メッセンジャーは、その前にメジャーリーグで投げたが、その後は投げていないので、ここには含めていない。

筆者作成
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 野茂英雄ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)は、日本プロ野球に続き、メジャーリーグでも最多奪三振のタイトルを獲得した。

 野茂は、ナ・リーグとア・リーグで1度ずつ。メジャーリーグ1年目の1995年にドジャースで236奪三振と、2001年にボストン・レッドソックスで220奪三振だ。今年、山本が奪三振王になると、パ・リーグで4シーズン連続最多とメジャーリーグ1年目にドジャースで投げてナ・リーグ最多は、野茂と同じだ。ただ、野茂の場合、5シーズン連続ではない。日本プロ野球最後の1994年は、114.0イニングで126奪三振。この年のパ・リーグは、239奪三振の伊良部秀輝が最も多かった。

 ダルビッシュは、メジャーリーグ2年目の2013年にテキサス・レンジャーズで277奪三振。シーズン200奪三振以上は、野茂もダルビッシュも、4度を数える。

 松坂大輔と千賀は、メジャーリーグ1年目に200三振以上を奪っている。松坂は2007年にレッドソックスで201奪三振、昨年の千賀は202奪三振だ。それぞれ、ア・リーグ6位とナ・リーグ8位タイに位置した。

 また、今オフにロサンゼルス・エンジェルスからドジャースへ移った大谷翔平は、2022年にア・リーグ3位の219奪三振を記録している。北海道日本ハム・ファイターズでは、2014~16年に3シーズン続けて170三振以上を奪い、いずれも、パ・リーグのトップ3にランクインした。2014年の179奪三振が3位、2015年の196奪三振が2位、2016年の174奪三振は3位だ。2014年から2018年まで、パ・リーグの奪三振トップには、5シーズンとも則本昂大(東北楽天ゴールデンイーグルス)がいた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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