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新旧の「奪三振マシン」がチームメイトになる。ストライダーとセールのシーズン最多奪三振は281と308

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリス・セール Aug 28, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月30日、アトランタ・ブレーブスは、ボーン・グリッソムをボストン・レッドソックスに放出し、クリス・セールと1700万ドルを獲得した。

 グリッソムは、来月に23歳となるミドル・インフィルダーだ。昨年の夏に、メジャーデビューした。ここまでの2シーズンは、計64試合で打率.287と出塁率.339、5本塁打と5盗塁。マイナーリーグでは、3シーズン続けて、打率.315以上と出塁率.400以上を記録している。

 トレードがなければ、来シーズンは外野に回り、ジャレッド・ケルニックとレフトで併用される可能性が高かったが、レッドソックスでは二塁を守り、トレバー・ストーリーと併殺デュオを組むと思われる。

 セールは、来シーズンの開幕直後に35歳の誕生日を迎える。5年1億4500万ドル(2020~24年)の契約には、2025年の球団オプション、年俸2000万ドルがついている。

 来シーズン、ブレーブスの開幕ローテーションには、マックス・フリードスペンサー・ストライダーチャーリー・モートン、セール、ブライス・エルダーの5人が並びそうだ。

 ストライダーは、ここ2シーズンとも、200三振以上を奪っている。2022年は131.2イニングで202奪三振、2023年は186.2イニングで281奪三振。それぞれの奪三振率は、13.81と13.55だ。

 セールは、2013年から2019年まで、7シーズン連続200奪三振以上。なかでも、2017年は214.1イニングで308三振を奪い、奪三振率12.93を記録した。続く2シーズン、2018~19年は規定投球回未満の158.0イニングと147.1イニングだが、奪三振率は13.50と13.32だった。

 シーズン奪三振率の歴代トップ10は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 2023年のストライダーと2017年のセールは、このランキングの4位と7位に位置する。テキサス・レンジャーズも、トップ10のうち2人、3位のジェイコブ・デグローム(2020年)と8位のマックス・シャーザー(2019年)を擁するが、どちらも来シーズンは出遅れることが確定している。

 2020~22年のセールは計50イニング未満――全休、42.2イニング、5.2イニング――ながら、2023年は102.2イニングを投げ、奪三振率10.96と与四球率2.54、防御率4.30を記録した。全盛期には及ばないものの、100イニング以上の127人中、奪三振率は11番目に高かった。ちなみに、トップはストライダーだ。

 セールの健康を保つため、ブレーブスは、ローテーションの人数を増やすかもしれない。6人ではなく、5人+αでもいい。例えば、今オフに迎え入れたレイナルド・ロペスを、先発とリリーフのスウィングマンとして起用することも考えられる。

 ロペスの加入については、こちらで書いた。

「エンジェルスなど3チームで68登板のリリーバーは、3年3000万ドルの契約を得て先発再転向も」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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