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ヤンキースが獲得した外野手はジャッジの隣を守るのか。ポストシーズンでヤンキース相手にサヨナラ打

宇根夏樹ベースボール・ライター
オスカー・ゴンザレス Oct 15, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月1日、ニューヨーク・ヤンキースは、クリーブランド・ガーディアンズからオスカー・ゴンザレスを獲得したことを発表した。ガーディアンズがゴンザレスをウェーバーにかけ、そこにヤンキースが名乗りを上げた。

 ゴンザレスは、来月に26歳となる外野手だ。メジャーリーグ1年目の昨シーズンは、91試合で11本のホームランと27本の二塁打を打ち、打率.296と出塁率.327、OPS.789を記録した。ヤンキースと対戦したディビジョン・シリーズでは、長打なしの22打数4安打ながら、そのうちの2本で計3打点を挙げ、ガーディアンズを勝利に導いた。第2戦は同点の10回表にタイムリー・ヒットを打ち、第3戦は1点差の9回裏、2死満塁から、ヒットで2者を生還させた。上の写真は、第3戦のサヨナラ打だ。このシリーズは、ヤンキースが3勝、ガーディアンズは2勝を挙げた。

 けれども、今シーズンは、54試合で打率.214と出塁率.239、OPS.551。ホームランは2本しかなく、二塁打も7本にとどまった(三塁打は2本)。5月と9月に降格し、メジャーリーグよりもAAAでプレーした期間のほうが長かった。

 2021年は、AAとAAAの計121試合で31本のホームランを打っている。ただ、ゴンザレスは、打率と出塁率があまり変わらないことからも窺えるように、選球眼を欠くフリースウィンガーだ。メジャーリーグでは、2シーズンとも、四球率4%未満。AAとAAAの通算四球率も、それぞれ、5.1%と4.2%だ。

 ヤンキースの外野は、アーロン・ジャッジしか確定していないものの、ゴンザレスは、あと2枠の候補ではないと思われる。控えとして開幕ロースターに入れるかどうか、といったところだろう。ゴンザレスのポジションは、ライトとレフト。メジャーリーグでセンターの守備についたことはなく、マイナーリーグでも9試合に過ぎない。

 ヤンキースは、ゴンザレス以外に、2人の外野手を手に入れようしているはずだ。

 ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンらによると、ヤンキースはホアン・ソト(サンディエゴ・パドレス)のトレードについて、パドレスと交渉を行っているが、ヤンキースが手放してもいいと考えている人材とパドレスが求めている人材は合致しておらず、隔たりは大きいようだ。ソトは、来シーズンが終わるとFAになる。

 現時点では、ソトとあと1人ではなく、FAのコディ・ベリンジャーとあと1人のほうが、可能性は大きい気がする。ソトとベリンジャーのどちらも、ということはないだろう。ヤンキースは、先発投手も欲している。あと1人の外野手は、守備を重視するなら、ケビン・キアマイアーがFA市場に出ている。

 なお、ゴンザレスは、ガーディアンズのホーム・ゲームで「スポンジ・ボブ」の曲とともに打席へ向かっていた。ヤンキー・スタジアムでも同じウォーク・アップ・ソングのままなのか、違う曲で登場するのか、あるいは登場できるのかどうかは、まだわからない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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