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先発投手3人を手に入れたカーディナルスは、山本由伸には手を出さない!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸 March 12, 2023(写真:ロイター/アフロ)

 11月27日、セントルイス・カーディナルスは、ソニー・グレイと3年契約を交わした。この契約には、2017年の球団オプションがついている。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによると、総額は7500万ドルだという。

 グレイを手に入れる前に、カーディナルスは、FA市場から2人の先発投手、ランス・リンカイル・ギブソンを迎え入れている。それぞれの契約は、1年1100万ドルと1年1200万ドル。いずれも、2015年は球団オプションだ。

 3人が加わり、ローテーションは、5枠とも埋まった。マイルズ・マイコラスは、来シーズンが3年5575万ドルの契約2年目。スティーブン・マッツは、4年4400万ドルの契約3年目だ。

 5人のうち、マッツを除く4人は、2023年に180イニング以上を投げている。5人の先発登板を合計すると、149試合となる。机上の計算ではあるが、レギュラーシーズン全体の162試合から149試合(92.0%)を引くと、残りは13試合(8.0%)だ。彼らの他には、若手のマシュー・リベラトーリザック・トンプソンもいる。

 ただ、来シーズンの年齢(6月30日時点)は、マッツが33歳、グレイが34歳、マイコラスが35歳、ギブソンが36歳、リンは37歳だ。また、球団オプションを行使しても、グレイ以外の4人は、2025年のオフにFAとなる。保有できるのは、あと2シーズンだ。

 彼らの年齢と契約期間からすると、カーディナルスが山本由伸(オリックス・バファローズ)を入手しようと動いても、おかしくない気がする。

 山本は25歳だ。メジャーリーグではないものの、日本プロ野球で実績を残している。リベラトーリとトンプソンは24歳と26歳で、どちらもドラフト1巡目だが、まだ開花はしていない。

 カーディナルスは、他球団ほど高額ではなくても、山本に契約を申し出るのではないだろうか。

 山本が加わる場合は、来シーズンのローテーションを6人とすればいい。中4日でなく中5日の登板間隔であれば、山本は適応しやすく――今シーズンの登板間隔は中6日かそれよりも長かった――ベテランの5人が故障に見舞われるリスクも軽減できる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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