Yahoo!ニュース

山本由伸の1試合14奪三振は日本シリーズ新記録。ワールドシリーズは誰の何奪三振が最も多い!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸 MARCH 12, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 山本由伸(オリックス・バファローズ)は、日本シリーズの第6戦に14三振を奪った。それまで、日本シリーズで1投手が1試合に奪った三振は、工藤公康ダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)の13が最も多かった。工藤が1999年の第1戦に記録し、ダルビッシュは2007年の第1戦に並んだ。

 なお、外木場義郎も、1975年の第4戦に13イニングを投げ、13三振を奪っている。ただ、9イニングが終わった時点では、10奪三振だった。

 一方、メジャーリーグには、ワールドシリーズでさらに多くの三振を奪った投手がいる。ボブ・ギブソンは、1968年の第1戦に17奪三振を記録した。

 もっとも、ワールドシリーズで1試合14奪三振以上は、ごくわずかだ。ギブソンの他には2人。1963年の第1戦に15奪三振のサンディ・コーファックスと、1953年の第3戦に14奪三振のカール・アースカインしかいない。

 今世紀に入ってからは、1試合11奪三振が最多。こちらは、ランディ・ジョンソンクレイトン・カーショウが、それぞれ、2001年の第2戦と2017年の第1戦に記録した。

 ギブソン、コーファックス、ランディ、カーショウは、少なくとも2度、サイ・ヤング賞に選ばれた。この4人のうち、カーショウ以外の3人は、すでに選手生活を終え、殿堂入りしている。何年後になるのかはわからないが、カーショウもそうなるはずだ。

 現時点のカーショウの動向については、こちらで書いた。

「カーショウは引退せずに現役続行。ただし、来シーズンの前半は欠場。3000奪三振まであと56」

 ワールドシリーズだけでなく、ポストシーズン全体に範囲を広げても、ギブソンの1試合17奪三振は最も多い。それに次ぐのは、1998年のディビジョン・シリーズ第1戦に、8イニングで16奪三振のケビン・ブラウンだ。ちなみに、この試合は、ブラウンとランディが投げ合った。ランディは、8イニングで9三振を奪った。

 今世紀の最多は、1試合15奪三振だ。4年前、ディビジョン・シリーズの第2戦に登板したゲリット・コール(当時ヒューストン・アストロズ/ニューヨーク・ヤンキース)が、7.2イニングを投げて記録した。

 まだ気が早いとはいえ、山本は、メジャーリーグの記録にも、名前を残すかもしれない。今オフ、ポスティング・システムを利用し、オリックスからメジャーリーグの球団へ移籍する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事