第3戦は「今年マイナーリーグ降格2度のルーキー」と「サイ・ヤング賞3度のベテラン」の投げ合い
ワールドシリーズ第3戦の先発マウンドには、ブランドン・フォート(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)とマックス・シャーザー(テキサス・レンジャーズ)が上がる。
彼らは、25歳のルーキーと39歳のベテランだ。
フォートは、今シーズンの開幕をAAAで迎えた。5月3日にメジャーデビューしてからも、そのまま、メジャーリーグで投げ続けたわけではない。先発5登板で防御率8.37を記録し、5月27日にAAAへ降格。再昇格した6月29日の登板も、3イニング目に5点を取られて降板し、翌日、AAAへ戻された。3度目の昇格は7月22日。そこから、先発12登板とリリーフ1登板で防御率4.22を記録した。シーズン全体の防御率は5.72だ。
一方、シャーザーは、2008年にメジャーデビューし、2013年と2016~17年にサイ・ヤング賞を受賞している。今シーズンは、先発27登板で防御率3.77ながら、7月30日にニューヨーク・メッツから移籍後は、先発8登板で防御率3.20を記録した。
また、2人とも、ドラフトでダイヤモンドバックスに指名され、大学からプロ入りしたが、順位は大きく異なる。シャーザーは2006年の全体11位、フォートは2020年の5巡目・全体149位だ。3年前のドラフトは5巡目まで。フォートは、最後から12人目だった。
もっとも、メジャーデビュー直前の評価は、フォートも低くなかった。2008年の開幕前のプロスペクト・ランキングにおいて、シャーザーは、ベースボール・アメリカとベースボール・プロスペクタスから、それぞれ、66位と90位に挙げられていた。フォートは、今年の27位と83位だ。
また、シャーザーは、先月中旬に肩を痛め、1ヵ月以上のブランクがあったせいなのかもしれないが、今年のポストシーズンは、2登板の計6.2イニングで7点を取られている。防御率は9.45だ。フォートは、4登板の計16.2イニングで5失点、防御率2.70。シャーザーの奪三振がイニングより少ない6であるのに対し、フォートは22三振を奪っている。
なお、2人合わせて6登板のうち、フォートが5.2イニングを投げたリーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第3戦以外は、いずれも5イニング未満であることからすると、ブルペンが勝敗を左右する可能性も低くなさそうだ。ワールドシリーズの第3戦は、両チームのどちらが勝っても2勝1敗となる。