無敗のレンジャーズに一抹の不安!? クローザーは全7試合に登板。イニングまたぎが2度、中0日は3度
テキサス・レンジャーズは、ポストシーズンに入ってから、一度も負けていない。ワイルドカード・シリーズが2勝0敗、ディビジョン・シリーズが3勝0敗、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズはここまで2勝0敗だ。
どの試合も、最後はホゼ・ルクラークが締めくくっている。7登板で7.1イニングを投げ、失点(と自責点)は1。ディビジョン・シリーズの第2戦は、6点リードの9回裏、1死一、二塁の場面でマウンドに上がり、1人目のアーロン・ヒックス(ボルティモア・オリオールズ)にホームランを打たれたが、それ以外はホームを踏ませていない。
ただ、ルクラークの7登板のうち、3登板は中0日だ。3シリーズとも、第1戦と第2戦に続けて投げた。また、直近の3登板中2登板は、イニングをまたいでいる。
ルクラークに次ぎ、レンジャーズで登板が多いのは、5登板のアロルディス・チャップマンとジョシュ・スポーレスの2人だ。チャップマンは、5試合とも、ルクラークの直前に投げている。そのうちの3試合は、スポーレス→チャップマン→ルクラークだ。あとの2試合は、先発投手に続いてチャップマンが投げた。
チャップマンの失点(と自責点)は1、スポーレスは無失点だ。問題はないように見える。
けれども、チャップマンは、与四球2の登板が2度ある。その2度目は、8球続けてストライクが入らず、2死満塁としたところでルクラークと交代した。直近の登板は、最初の2人を討ち取った後、ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)にホームランを打たれ、そこでルクラークと代わった。
その前のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦も、チャップマンは、アストロズを抑えたとは言い難い。2点リードの8回裏、無死一塁の場面で登板し、無失点でイニングを終えたものの、アレックス・ブレグマンが打ち返した球は、レフトを守っていたエバン・カーターの好捕がなければ、長打になっていた可能性が高い。この外野フライは、一塁走者のホゼ・アルトゥーベが二塁を踏み直さずに一塁へ戻ったため、併殺となった。
ルクラークの想定より早い登板――とカーターの守備とアルトゥーベの走塁――がチャップマンを救っている、という見方もできる。この状態が続くと、ルクラークが登板過多となり、相手を抑えられなくなることも懸念される。ここから、レンジャーズは、少なくともあと6試合、多い場合は12試合を行う。