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大谷翔平を上回る本数のホームランを打っている7人中6人はア・リーグ。大谷はナ・リーグ2位タイ

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)Jun 1, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズンは、15本以上のホームランを打っている選手は、7人を数える。

 21本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、19本塁打のカイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)、18本塁打のガナー・ヘンダーソン(ボルティモア・オリオールズ)、17本塁打のマーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)、16本塁打のホゼ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ)に、15本塁打のジョシュ・ネイラー(ガーディアンズ)とホアン・ソト(ヤンキース)がそうだ。

 7人中6人は、ア・リーグのチームでプレーしている。ナ・リーグで15本塁打以上の選手は、オズーナしかいない。

 彼らに次ぐ14本塁打は、ア・リーグがジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)、ナ・リーグは大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)とブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)だ。この3人のうち、スタントンは、ア・リーグ7位に位置している。大谷とハーパーは、オズーナと3本差のナ・リーグ2位タイだ。

 本塁打王のタイトルは、レギュラーシーズンが終わった時点で、それぞれのリーグの本塁打ランキング1位の選手、あるいは1位タイの選手たち――リーグで最も多くのホームランを打った選手もしくは選手たち――が獲得する。なので、ア・リーグの本塁打王とナ・リーグの本塁打王が存在する。

 例えば、昨シーズンの本塁打王は、ア・リーグが44本塁打の大谷(当時ロサンゼルス・エンジェルス)、ナ・リーグは54本塁打のマット・オルソン(ブレーブス)だ。大谷より本数が多かった、47本塁打のカイル・シュワーバー(フィリーズ)と46本塁打のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)は、ナ・リーグの2位と3位に位置した。

 また、シーズンの途中にア・リーグのチームからナ・リーグのチームへ移籍した場合、ナ・リーグの本塁打ランキングにおいては、0本からのスタートとなる。ナ・リーグのチーム→ア・リーグのチームも、同じことが当てはまる。

 1997年にマーク・マグワイアが記録した58本塁打は、どの選手よりも多かった。だが、このシーズンは、本塁打王を獲得していない。夏のトレードにより、マグワイアは、ア・リーグのオークランド・アスレティックスからナ・リーグのセントルイス・カーディナルスへ移った。移籍前の34本塁打がア・リーグ9位、移籍後の24本塁打はナ・リーグ22位タイだ。ア・リーグの本塁打王は56本塁打のケン・グリフィーJr.、ナ・リーグの本塁打王は49本塁打のラリー・ウォーカーが獲得した。

 一方、1915年のブラッゴ・ロスは、夏のトレードにより、ア・リーグのシカゴ・ホワイトソックスからア・リーグのクリーブランド・インディアンズへ移り、移籍前の3本塁打と移籍後の4本塁打を合計した本数、7本塁打でア・リーグの本塁打王となった。

 なお、今シーズン、ここまでに14本塁打以上の10人中、半数の5人は、6月1日に本数を増やした。ア・リーグは、ジャッジが21本目、タッカーが19本目、スタントンが14本目。ナ・リーグは、オズーナが17本目、ハーパーは14本目のホームランを打った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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