開幕50試合で0本塁打&18打点のベテランが、ポストシーズン最初の4試合で3本塁打&8打点
昨オフ、シカゴ・ホワイトソックスからFAになったホゼ・アブレイユは、ヒューストン・アストロズと3年5850万ドルの契約を交わした。
その1年目は、打率.237と出塁率.296、OPS.680。いずれも、キャリア・ワーストを大きく塗り替えた。それまでの9シーズン中、最も数値が低かったのは、打率が2021年の.261、出塁率が2018年の.325、OPSは2018年の.798だった。
また、今シーズンのホームランは18本。昨シーズンから3本増えたものの、この2シーズンの計33本は、2014年の1シーズンより3本少なく、2017年と2019年と同じ。2015年と2021年と比べても、3本多いだけだ。
なかでも、今シーズンの序盤は、不振に喘いだ。開幕から50試合に出場した、5月27日の時点では、打率.214と出塁率.269、OPS.519。ホームランはなく、打点も18に過ぎなかった。
51試合目にシーズン初のホームランを打った際には、よほどうれしかったのか、ホームインした直後に、ダグアウトの前で滑り込んでみせた。それについては、スライディングの写真とともに、こちらで書いた。
◆「シーズン30本塁打以上5度のスラッガーが、開幕から196打数目に今シーズン初本塁打を打つ」
ただ、51試合目以降も、復活したとは言い難い。出場91試合で18本のホームランを打ち、72打点を挙げたものの、打率と出塁率は.250と.311、OPSは.768だ。このスパンに限っても――開幕からの50試合を除いても――それまでのシーズン・ワーストを下回る。
年齢は36歳。来シーズン以降も、低空飛行が続いてもおかしくない。
もっとも、短いスパンであれば、話は別だ。
ディビジョン・シリーズでは、第3戦と第4戦に計3本のホームランを打っている(これを書いている時点で、第4戦は試合途中)。第3戦は3ランと2ラン、第4戦は2ラン。スタットキャストによると、それぞれの推定飛距離は、442フィート、440フィート、424フィートだ。
第1戦には、前田健太(ミネソタ・ツインズ)からタイムリー・ヒットも記録した。アストロズは、ワイルドカード・シリーズをスキップし、ディビジョン・シリーズからのスタートだが、アブレイユの8打点は、今年のポストシーズンに出場している選手のなかで最も多い。