宮﨑敏郎と頓宮裕真、セ・パともに「右打者が首位打者」のシーズンは12年ぶり10度目
今シーズン、セ・リーグの首位打者は、打率.326の宮﨑敏郎(横浜DeNAベイスターズ)が獲得した。
パ・リーグの首位打者は、打率.307の頓宮裕真(オリックス・バファローズ)が獲得する。千葉ロッテ・マリーンズと東北楽天ゴールデンイーグルスは、あと1試合を残しているが、両チームで最も打率が高いのは、.276の浅村栄斗(東北楽天)だ。ここから22打数22安打を記録しても、浅村の打率は.306なので、頓宮に及ばない。
宮﨑と頓宮は、どちらも右打者だ。同じシーズンに、セ・リーグもパ・リーグも右打者が首位打者を獲得は、見落としがなければ、2011年以来、12年ぶり10度目となる。1950~2023年の74シーズンに10度なので、全体の13.5%だ。
2012年以降、セ・リーグの首位打者は、今シーズンの宮﨑を含め、右打者が延べ8人。左打者は4人だ。パ・リーグは、昨シーズンに打率.347の松本剛(北海道日本ハム・ファイターズ)と今シーズンの頓宮が右打者だが、その前は、左打者が10年続いていた。
両リーグとも右打者が首位打者を獲得した、過去の9シーズンは、以下のとおり。
1952年
セ 西沢道夫 打率.353
パ 飯島滋弥 打率.336
1964年
セ 江藤慎一 打率.323
パ 広瀬叔功 打率.366
1965年
セ 江藤慎一 打率.336
パ 野村克也 打率.320
1971年
セ 長嶋茂雄 打率.320
パ 江藤慎一 打率.337
1975年
セ 山本浩二 打率.319
パ 白仁天 打率.319
1978年
セ 水谷実雄 打率.348
パ 佐々木恭介 打率.354
1983年
セ 真弓明信 打率.353
パ 落合博満 打率.332
2008年
セ 内川聖一 打率.378
パ リック・ショート 打率.332
2011年
セ 長野久義 打率.316
パ 内川聖一 打率.338
江藤慎一の場合、首位打者を獲得した3度とも、別のリーグの首位打者も右打者だった。内川聖一も、2度ともそうだ。なお、両リーグで首位打者を獲得したのは、この2人しかいない。
宮﨑は、2017年に続く2度目の首位打者だが、6年前のパ・リーグは、左打者の秋山翔吾(当時・埼玉西武ライオンズ/現・広島東洋カープ)が首位打者を獲得している。宮﨑は打率.323、秋山は打率.322を記録した。
ちなみに、1969年と1987年は、両リーグで計3人が首位打者となったが、そのなかに右打者はいなかった。1969年の首位打者は、セ・リーグが打率.345の王貞治、パ・リーグは打率.333の永淵洋三と張本勲。3人とも左打者だ。1987年は、セ・リーグが打率.333の篠塚利夫と正田耕三、パ・リーグは打率.366の新井宏昌。この3人は、正田がスイッチ・ヒッターで、あとの2人は左打者だ。
両リーグともスイッチ・ヒッターが首位打者を獲得したシーズンは、一度もない。