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エンジェルスの新監督はこの人!? 通算1727勝&ポストシーズン進出6度の大ベテラン

宇根夏樹ベースボール・ライター
バック・ショーウォルター Sep 6, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズン、ロサンゼルス・エンジェルスの指揮を誰が執るのかは、決まっていない。エンジェルスは、それまで監督を務めていたフィル・ネビンとの契約を更新しなかった。

 まだ、具体的な動きは見えてこないが、どうやら、エンジェルスの監督になりたがっている人物がいるらしい。10月5日、ニューヨーク・ポストのマイク・プーマは、空白となっているエンジェルスの監督にバック・ショーウォルターが興味を示し、面接をしてもらいたがっている、と報じた。

 ここ2シーズン、ショーウォルターは、ニューヨーク・メッツで采配を振っていた。数日前に解任されたばかりだ。

 ショーウォルターは67歳。監督歴は長い。ニューヨーク・ヤンキース(1992~95年)、アリゾナ・ダイヤモンドバックス(1998~2000年)、テキサス・レンジャーズ(2003~06年)、ボルティモア・オリオールズ(2010~18年)、メッツ(2022~23年)の5チームで監督を務め、そこで挙げた計1727勝は、歴代19位に位置する。昨シーズンの終盤に、1650勝のマイク・ソーシア――すべての白星をエンジェルスの監督として挙げた――を上回った。

 ポストシーズン進出は6度。ヤンキース時代の1995年、ダイヤモンドバックス時代の1999年、オリオールズ時代の2012年と2014年と2016年、メッツ時代の2022年だ。ワールドシリーズまで進んだことはないものの、ヤンキースとダイヤモンドバックスは、ショーウォルターが去った翌年にワールドシリーズ優勝を飾った。

 最優秀監督には、1994年、2004年、2014年、2022年に選出されている。1度目から3度目までは、いずれも末尾が4の年だった。来年は2024年だ。

 ショーウォルターがヤンキースとオリオールズの監督に就任した当時は、両チームとも、ポストシーズンから遠ざかっていた。ショーウォルター監督が率いた1995年のヤンキースは、ワイルドカードをゲットし、1981年以来14年ぶりのポストシーズンへ進んだ。2012年のオリオールズも同様。こちらは、1997年以来15年ぶりのポストシーズン進出となった。

 この点は、偶然に過ぎない最優秀監督の年と違い、エンジェルスにフィットするかもしれない。エンジェルスが最後にポストシーズンへ進んだのは、ソーシアが率いていた2014年だ。デトロイト・タイガースと並び、現時点ではポストシーズンから最も遠ざかっている。

 ショーウォルターがレンジャーズで監督を務めていた時期は、ミナシアンもレンジャーズにいた。それだけでなく、ミナシアンは、監督とコーチのアシスタント・スタッフとして働いていた。

 また、ミナシアンがエンジェルスに来る前だが、2019年のオフにジョー・マッドンがエンジェルスの監督に就任する前には、ショーウォルターも候補として面接を受けていた。

 ちなみに、当時、エンジェルスのGMは、ビリー・エプラーだった。エプラーについては、こちらで書いた。

「このGMの辞任は、新たな人物がやってきて、自分が編成部門のトップでなくなったことだけが理由なのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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