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岡本和真の「40本塁打&30二塁打」と牧秀悟が近づく「30本塁打&40二塁打」はどちらが珍しい!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
牧秀悟 MARCH 11, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 9月15日、岡本和真(読売ジャイアンツ)は、シーズン40本塁打に到達した。続いて、その翌日の16日に、シーズン30本目の二塁打を打った。

「40本塁打&30二塁打」は、2011年に48本塁打と30二塁打の中村剛也(埼玉西武ライオンズ)以来。見落としがなければ、岡本が延べ17人目だ。

 一方、牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)は、今シーズン、28本塁打と38二塁打を記録している。レギュラーシーズンが終わるまでに、ホームランと二塁打をあと2本ずつ打つと、「30本塁打&40二塁打」となる。

「30本塁打&40二塁打」の達成者は6人だ。その価値はさておき、「40本塁打&30二塁打」と比べると、人数はかなり少ない。40本塁打以上は延べ120人以上を数えるが、40二塁打以上は延べ40人に達していない。

筆者作成
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 1シーズンにホームランと二塁打のどちらも40本以上は、皆無だ。1950年の藤村富美男は、39本塁打と41二塁打。ホームランがあと1本多ければ、「40本塁打&40二塁打」となっていた。藤村は、「40本塁打&30二塁打」と「30本塁打&40二塁打」のいずれも達成している。

 1950年の藤村に次いで「40本塁打&40二塁打」に迫り、到達まであと2本とした選手――40本塁打以上と38二塁打、38本塁打と40二塁打以上、どちらも39本ずつのいずれか――は、2人いる。1999年に40本塁打と38二塁打のタフィー・ローズ(二塁打があと2本)と、2006年に39本塁打と39二塁打のアダム・リグス(ホームランと二塁打があと1本ずつ)がそうだ。

 リグスの後、2007年以降では、山田哲人(東京ヤクルト・スワローズ)が2015年に「40本塁打&40二塁打」まであと3本に近づいた。この年は、38本塁打と39二塁打。山田は、2014~15年に2年続けて39本の二塁打を打ち、2015~16年に2年続けて38本塁打を記録した。この本数は、ホームランも二塁打も、自己最多だ。

 なお、ホームランと二塁打に三塁打も含めた長打のシーズン記録は、松井稼頭央が保持している。「30本塁打&40二塁打」の2002年に、88本の長打を打った。内訳は、ホームランが36本、二塁打が46本、三塁打は6本だ。

 メジャーリーグでは、日本プロ野球より試合数が多いこともあり、延べ38人が「40本塁打&40二塁打」を記録している。直近は、2015年の2人。ノーラン・アレナード(当時コロラド・ロッキーズ/現セントルイス・カーディナルス)が42本塁打と43二塁打、ジョシュ・ドーナルソン(当時トロント・ブルージェイズ/現ミルウォーキー・ブルワーズ)は41本ずつを記録した。

 38人中、1995年のアルバート・ベルは「50本塁打&50二塁打」だ。50本のホームランと52本の二塁打を打った。ちなみに、この年は、ストライキにより、例年より試合数が少なかった。ベルが在籍していたクリーブランド・インディアンズは144試合を行い、ベルは143試合に出場した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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