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藤浪晋太郎の「チーム最多勝」に並ぶ投手が現れる。あるいは、移籍から2ヵ月近く経ってもまだ最多

宇根夏樹ベースボール・ライター
JP・シアーズ(オークランド・アスレティックス)Sep 12, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月12日、JP・シアーズ(オークランド・アスレティックス)は、ヒューストン・アストロズを相手に6イニングを投げ、1回裏と5回裏の1失点ずつに抑えた。

 アスレティックスは、初回にジャスティン・バーランダーから3点を奪い、6対2で勝利を収めた。シアーズはシーズン5勝目を挙げ、チーム最多勝の藤浪晋太郎(現ボルティモア・オリオールズ)に並んだ。

 メジャーリーグ2年目の今シーズン、シアーズは、開幕からローテーションを守っている。ただ、白星とは縁遠かった。前半の18登板は99.2イニングで防御率3.97を記録しながら、勝利投手になったのは、6月11日の1登板しかなかった。この防御率は、前半に80イニング以上を投げた83人のなかで、ほぼ真ん中の42位に位置する。

 ところが、今月に入ってからは、3登板で3勝だ。いずれも5イニング以上&2失点以下の投球も大きな理由だろうが、5月後半の3登板も、これと同じだった。

 今月、アスレティックスは、ロサンゼルス・エンジェルスをスウィープしたのを皮切りに、7勝4敗を記録している。3連勝→2連敗→2連勝→2連敗→2連勝だ。過去5ヵ月のうち、3・4月と5月は、どちらも月間6勝だった(3月と4月は合わせて1ヵ月として数えている)。現時点における、今シーズンの月間最多勝は、6月の10勝だ。

 なお、今シーズン、二桁の白星を手にしている投手49人のうち、7人の防御率はシアーズの4.45よりも高い。

 また、アスレティックスの46勝99敗に対し、カンザスシティ・ロイヤルズは45勝101敗だ。白星の数はほとんど変わらない――細かく言うと、アスレティックスのほうが多い――が、ロイヤルズでは、ブレイディ・シンガーが8勝を挙げている。シンガーの防御率は、先発28登板で5.51だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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