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大谷翔平がエンジェルスでプレーするのは、明日の試合が最後になるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

ロサンゼルス・エンジェルスの選手として、大谷翔平がプレーするのは、9月10日(日本時間11日)の試合が最後になるかもしれない。

 右肘の靱帯損傷により、投手としてのシーズンは、すでに終了している。さらに、9月4日の試合前に、大谷は右脇腹を痛めた。この日から9日まで、6試合続けてスターティング・ラインナップから外れ、代打や代走としても出場していない。

 エンジェルスのレギュラーシーズンは、あと19試合。スケジュールは、9月10日の1試合がホーム、11日~13日の3試合がアウェー(ワシントン州シアトル)、15日~17日の3試合がホーム、19日~24日の6試合がアウェー(フロリダ州セントピーターズバーグとミネソタ州ミネアポリス)、25日~27日と29日~10月1日の6試合がホームだ。

 エンジェルスが今年のポストシーズンに進出する可能性は、限りなくゼロに近い。地区首位のヒューストン・アストロズとは、15ゲーム差。ワイルドカードの3番手に位置するトロント・ブルージェイズとも、13.5ゲーム離れている。

 また、44本塁打のままシーズンを終えても、大谷は本塁打王となりそうだ。リーグ2位~4位のいずれも、大谷の欠場中にホームランを打っていない。ルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)は9本差の35本塁打、アドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)は10本差の34本塁打、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は13本差の31本塁打だ。ガルシアは、9月8日に故障者リスト入りした。ア・リーグで30本塁打に達している選手は、大谷と、この3人だけだ。

 2年ぶり2度目のMVPは、初の本塁打王以上に間違いないだろう。

 トミー・ジョン手術に限らず、右肘にメスを入れるなら、早いほうがいい。

 5年前、大谷はエンジェルスの162試合目に出場し、その翌日の10月1日にトミー・ジョン手術を受けた。DHとして試合に復帰したのは、翌年の5月7日だ。その前に、エンジェルスは34試合を終えていた。手術が9月上旬なら、開幕から1ヵ月以上出遅れることはなかった、という計算になる。

 この点を踏まえた上で、もう一度、地元ファンの前でプレーすることを望んだ場合、エンジェルスがシアトルへ向かう直前の9月10日が――右脇腹の状態次第ではあるものの――手術前の出場として浮かび上がる。

 今オフ、大谷はFAになる。メジャーリーグではまだ出場したことのないポストシーズンをめざすのであれば、エンジェルスと再契約を交わすとは考えにくい。

 なお、現時点において、大谷が最後にホームでプレーしたのは、8月23日だ。ダブルヘッダーの両試合に、それぞれ、「2番・DH&投手」と「2番・DH」として出場した。

【追記:9/11】

 9月10日のスターティング・ラインナップにも、大谷の名前はない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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