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ア西地区の上位3チームはゲーム差なし。マリナーズとレンジャーズ、アストロズ。地区優勝の行方は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
J.P.クロフォード(左)とレオディ・タベラス Jun 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月29日、シアトル・マリナーズは1対3で敗れ、テキサス・レンジャーズとヒューストン・アストロズは、それぞれ、2対1と6対2で勝利を収めた。

 これにより、ア・リーグ西地区は、上位3チームがゲーム差なし、となった。1位タイのマリナーズとレンジャーズが75勝57敗(勝率.568)、3位のアストロズは76勝58敗(勝率.567)だ。

 ここ15日間、8月15日~29日の推移は、以下のとおり。その日の勝ち負け、その日を終えた時点のシーズン勝敗、地区順位、地区1位とのゲーム差を記載した。

筆者作成
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 8月15日以降は、マリナーズが12勝2敗、レンジャーズが4勝9敗、アストロズは8勝6敗だ。ただ、8月26日以降の直近4試合に限ると、3勝1敗、3勝1敗、4勝0敗となる。

 ここから、レギュラーシーズンが終わるまでに、マリナーズとレンジャーズは各30試合、アストロズは28試合を行う。相手チームと試合数、そのチームの現時点のシーズン勝率は、以下のとおり。

筆者作成
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 残りのカードからすると、地区優勝に近いのは、アストロズではないだろうか。

 マリナーズは、勝率.500未満の3チーム、ロサンゼルス・エンジェルス、ニューヨーク・メッツ、オークランド・アスレティックスと計10試合を行う。レンジャーズも、同じく計10試合だ。それに対し、アストロズは、勝率.500未満のチームとの対戦が、過半数の15試合を占める。

 また、マリナーズとレンジャーズは7試合で顔を合わせるので、アストロズはそこから「漁夫の利」を得るかもしれない。この7試合で、マリナーズとレンジャーズが4勝3敗と3勝4敗、あるいはその逆のような場合だ。

 もっとも、どのチームが地区を制しても、3チーム揃ってポストシーズンへ進む可能性は低くない。現時点で、ワイルドカードの3番手に位置するアストロズは、4番手のトロント・ブルージェイズに3.5ゲーム差をつけている。

 なお、直接の対戦成績は、マリナーズがレンジャーズに1勝5敗、アストロズに8勝2敗。レンジャーズがマリナーズに5勝1敗、アストロズに4勝6敗。アストロズがマリナーズに2勝8敗、レンジャーズに6勝4敗だ。

 マリナーズは、アストロズに対する勝ち越しを決めている。あと3試合が3敗でも、8勝5敗だ。162試合を終えて、マリナーズとアストロズが首位に並んでいた場合、163試合目の「ワンゲーム・プレーオフ」はなく――これも、コミッショナーによる改悪の一つのような気がする――マリナーズが地区優勝となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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