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プロ13年目にメジャーデビューした選手が、3ヵ月後に解雇される。メジャーリーグでは6打数2安打

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドルー・マッジ Apr 26, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月24日、ピッツバーグ・パイレーツは、ドルー・マッジを解雇した。

 3ヵ月前の4月26日、マッジは、プロ13年目――マイナーリーグのシーズンが中止になった2020年を含めると14年目――にして、メジャーデビューを果たした。出場は3試合。最初の2試合は計4打数0安打に終わり、3試合目に初安打と2本目を記録した後、AAへ戻った。

 メジャーデビューするまでとメジャーリーグ初安打については、それぞれ、こちらで書いた。

「マイナーリーグで通算1155試合に出場した33歳のメジャーデビューは実現するのか。昇格は2度目」

「プロ13年目のメジャーリーグ初安打。前日に降格となったが、特別ルールのおかげで…」

 その後は、AAで28試合に出場し、打率.177(96打数17安打)と出塁率.262、0本塁打に終わっている。このスタッツもさることながら、パイレーツは、若手に出場機会を与えるため、34歳のマッジ――メジャーデビュー当時は33歳だった――を解雇したと思われる。なお、マイナーリーグ通算は、打率.252(3943打数995安打)と出塁率.347、45本塁打。メジャーリーグでは、6打数2安打。シングル・ヒットと二塁打を打った。

 今シーズンのスタッツからすると、ここからマイナーリーグ契約を得るのも、難しそうな気がする。年齢もそう若くなく、このまま選手生活を終えてもおかしくはない。ただ、ピッツバーグ・ポスト・ガゼッタのジェイソン・マッケイが解雇を報じた記事によると、マッジは、パイレーツのファンとパイレーツに感謝するとともに、まだ終わっていない、トライし続ける、と語ったという。

 独立リーグや他の国のリーグで、マッジは、プレーするのかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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