防御率1点台のリリーフ左腕を擁するチームが、防御率5点台のリリーフ左腕を獲得する
7月21日、トロント・ブルージェイズは、リリーフ左腕のヘネシス・カブレラを、セントルイス・カーディナルスから獲得した。カーディナルスは、カブレラと交換に、マイナーリーガーの捕手、サミー・ヘルナンデスを手に入れた。
今シーズン、カブレラは、32登板で32.0イニングを投げ、防御率5.06を記録している。7月17日に、カーディナルスからDFAとされた。
ブルージェイズには、リリーフ左腕のティム・メイザがいる。こちらは、44登板の32.2イニングで防御率1.10だ。
カブレラは、メイザが離脱した場合の保険、といったところだろうか。まずは、AAAで投げるようだ。
もちろん、メイザが投げ続けていても、カブレラのメジャーリーグ昇格はあり得る。複数の左投手がいれば、起用のバリエーションは増える。
しかも、メイザとカブレラは、タイプが異なる。メイザがシンカーを多投するグラウンドボーラーであるのに対し、カブレラはどちらかと言えばフライ系だ。スタットキャストによると、スライダーは空振り率が高く、4シームの平均球速は95.8マイル。2021年は、平均97.6マイルを記録している。
カブレラは、制球に課題を残すものの、短縮シーズンの2020年は、19登板の22.1イニングで防御率2.42を記録した。昨シーズンも、前半の29登板に限れば、34.2イニングで防御率2.60だった。
まだ26歳と若く、再び防御率を下げてもおかしくない。それが今シーズンでなくても、2025年のオフまではFAにならないので、ブルージェイズは、あと2シーズン以上、カブレラを保有できる。
カーディナルスのビート・ライター、MLB.comのジョン・デントンによると、カブレラは起用のされ方に不満を抱いていたという。カーディナルスが手放した理由は、そのあたりにもあるようだ。