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エンジェルスの「サヨナラ勝ち」は3度とも「サヨナラ打なし」。他にもこんなチームはあるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
トレイ・キャベッジ(ロサンゼルス・エンジェルス)Jul 15, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月15日、ロサンゼルス・エンジェルスは、13対12でヒューストン・アストロズを下した。同点の10回裏、1死一、二塁の場面から、テイラー・ウォードがゴロを打ち、4-6-3の併殺でイニング終了かと思われたが、大谷翔平が二塁で封殺された後、グレイ・ケッシンジャーの送球が逸れ、トレイ・キャベッジが生還した。

 エンジェルスのサヨナラ勝ちは、5月5日と6月26日に続き、今シーズン3度目。最初の2度は、どちらもワイルド・ピッチによって三塁から走者が生還したので、サヨナラ打――シングル・ヒット、二塁打、三塁打、ホームラン、犠牲フライ、バントのいずれか――は、0本だ。押し出しの四球あるいは死球による、サヨナラ勝ちもない。

 調べたところ、今シーズン、サヨナラ打が皆無のチームは、エンジェルスの他には見当たらなかった。

 例えば、サンディエゴ・パドレスのサヨナラ勝ちは、4月3日の1度きりだが、デビッド・ダール(現ロサンゼルス・ドジャース)の代打同点本塁打に続き、次打者のハソン・キムがサヨナラ本塁打を打っている。スコット・マクガフ(アリゾナ・ダイヤモンバックス)が、2者連続ホームランを喫した。

 サヨナラ勝ちが1度の他3チームも、試合を決めたのはサヨナラ打だ。サヨナラ勝ちが0度のチームはない。

 エンジェルスで最後にサヨナラ打を記録したのは、マグネウリス・シエラ(現アトランタ・ブレーブス)だ。昨年9月6日の試合で、10回裏、1死一、三塁の場面から、バント――記録はシングル・ヒット――でアンドルー・ベラスケスを生還させた。

 今シーズン1度目と2度目のサヨナラ勝ちについては、こちらで書いた。

「エンジェルスのサヨナラ勝ちは、かなり珍しいパターン。そのイニングに無安打だけでなく…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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