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HRダービーの優勝者が後半最初の打席でホームランは、ゲレーロJr.が史上初

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)Jul 14,2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月14日、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、1打席目にホームランを打った。

 ESPNスタッツ&インフォによると、ホームラン・ダービーで優勝し、オールスター・ブレイク後、最初の打席でホームランを打ったのは、ゲレーロJr.が初めて。後半最初の試合でホームランは、1997年のティノ・マルティネス、1998年のケン・グリフィーJr.、2006年のライアン・ハワード、2009年のプリンス・フィルダーに続き、5人目だという。

 ゲレーロJr.のホームラン・ダービー出場は、2019年に続く2度目だ。この時は決勝でピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)に敗れ、その後の初ホームランは、シーズン後半の8試合目だった。アロンゾの後半初アーチは、5試合目。2度目の優勝を飾った2021年は、後半の4試合目にホームランを記録した。

 ちなみに、2007年のホームラン・ダービーで優勝したブラディミール・ゲレーロ――ゲレーロJr.の父――は、後半に入ってから17試合続けてホームランが出ず、18試合目と19試合目に2本ずつ打った。

 ゲレーロJr.の前に、シーズン後半の最初の試合でホームランを打った優勝者4人のうち、前半と比べ、後半のホームランが少なかった選手と多かった選手は、2人ずつだ。それぞれの本数(打数/本)は、ティノが28本(11.8打数/本)→16本(16.4打数/本)、グリフィーJr.が35本(9.9打数/本)→21本(13.7打数/本)、ハワードが28本(11.3打数/本)→30本(8.8打数/本)、フィルダーは22本(14.0打数/本)→24本(11.8打数/本)と推移している。

 サンプル数は少なく、ゲレーロJr.がどちらになるのかを予測するデータにはなり得ないが、今シーズン後半のホームランは、前半より増えてもおかしくない気がする。2021年の前半は28本塁打を記録し、2022年の前半も20本のホームランを打ったのに対し、今シーズンの前半は13本塁打にとどまった。

 過去2シーズンの後半は、それぞれ、20本と12本なので、どちらも前半より少ないものの、2021年以降、5度の半シーズン――前半3度と後半2度――のなかで、今シーズン前半の26.4打数/本は、最もペースが遅かった。

 理由はわからないが、今シーズン前半のホームランは、アウェーの10本に対し、ホームのロジャース・センターでは3本に過ぎなかった。上の写真からわかるとおり、後半最初のホームランは、ホームで打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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