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マイク・トラウトが離脱していても大谷翔平はホームランを打てるのか。過去2シーズンの離脱時は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(中央)とマイク・トラウト May 7, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ここから1~2ヵ月、ロサンゼルス・エンジェルスは、マイク・トラウトを欠いたまま、試合を行う。7月3日、トラウトは、8回表にバットをスウィングした際、左手首の有鉤骨を骨折した。

 トラウトの長期離脱は、3シーズン連続となる。2021年は、右のふくらはぎを痛め、5月18日から欠場。そのまま、復帰できなかった。2022年の離脱は、7月13日から8月17日までの1ヵ月だ。この時は、腰の状態が思わしくなかった。

 過去11シーズンとも、トラウトのOPSは.935を下回ったことがない。2021年は、36試合で8本塁打とOPS.1.090。2022年は、離脱した時点では、79試合で24本塁打とOPS.967だった。復帰後を含めると、119試合で40本塁打とOPS.999を記録した。

 今シーズンのOPSは、例年よりも低い。それでも、リーグ7位の.862だ。ホームランは6位タイ。18本を打っている。

 トラウトのチームメイト、大谷翔平が2021年以降に記録したスタッツを、トラウトが離脱していたスパンとそれ以外のスパンに分けると、以下のようになる。

筆者作成
筆者作成

 各スパンの長さなどが違うため、正確な比較にはならないが、2021年は、どちらのスパンでも、ホームランを打つペースはほとんど変わらなかった。小数点第2位を四捨五入すると、離脱前も離脱後も11.7打数に1本のホームランを打った。2022年は、トラウトが離脱しているスパンのほうが、前後のどちらのスパンよりもハイペースだ。

 一方、トラウトが離脱中の四球率は、そうでないスパンよりも高い。2021年は、4.9%→18.5%。2022年は、11.3%→13.4%→8.0%なので、2021ほど顕著ではないものの、トラウトがいない間の四球率は、前後のいずれも上回る。

 また、2021年の敬遠四球は、離脱前のゼロに対し、離脱後は20を数えた。2022年の場合、離脱前も離脱中(復帰後は含めず)も敬遠四球は6ずつだが、それぞれのスパンは、3ヵ月と1ヵ月だ。

 ここからも、ホームラン1本当たりの打数が変わらなくても、四球が増えれば、その分、打数は少なくなる。ホームランの本数は、今までのようには増えていかないかもしれない。

 なお、トラウトを欠くエンジェルスについては、こちらで書いた。

「トラウトの骨折により、エンジェルスは沈んでいくのか。過去2シーズンの場合は…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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