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ヤンキースに解雇された外野手が、新天地で好スタートを切る。14打席で出塁8度に加え…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェームズ・マッキャン(左)とアーロン・ヒックス Jun 4, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 先月26日、アーロン・ヒックス(ボルティモア・オリオールズ)は、ニューヨーク・ヤンキースから解雇された。その4日後に、オリオールズとメジャーリーグ契約を交わした。

 年俸の大半は、ヤンキースが負担する。それについては、「ヤンキースに解雇された外野手が、同地区のオリオールズにメジャーリーグ契約で入団」で書いた。オリオールズがヒックスを迎え入れた理由である、セドリック・マリンズが復帰すれば、解雇される可能性があることも示唆した。

 だが、今のところ、その見立ては外れそうな気配だ。

 5月31日から6月4日まで、ヒックスは4試合に出場し、14打席で8度出塁している。5安打と3四球。各試合の内訳は、5月31日が2打数2安打と1四球、6月2日が2打数0安打と1四球、3日が3打数1安打、4日は4打数2安打と1四球だ。

 最初の4安打はいずれもシングルながら、5本目は右中間を破り、昨年7月7日以来となる三塁打を記録した。

 また、4試合とも、マリンズが定位置としているセンターを守り、6月3日には、ホームランとなりそうなミッチ・ハニガー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)の打球を、ジャンプして捕球した。

 ヤンキースでは、28試合で13安打と7四球、打率.188と出塁率.263に過ぎず、長打はホームラン1本と二塁打2本だった。守備も冴えず、今シーズンに始まったことではないが、ヤンキー・スタジアムの観客からブーイングを浴びせられていた。

 オリオールズは、来月3日~6日に、ヤンキー・スタジアムで4試合を行う。もし、ヒックスがそこで活躍すれば――オリオールズでの出場はまだ4試合に過ぎず、それまでに解雇されている可能性も皆無ではないが――観客はヒックスにブーイングを浴びせるだろう。けれども、ヤンキース時代と違い、ヒックスの耳には心地よく響くかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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