シーズン30本塁打以上5度のスラッガーが、開幕から196打数目に今シーズン初本塁打を打つ
5月28日、ホゼ・アブレイユ(ヒューストン・アストロズ)は、8回表にホームランを打った。いつもより、かなり速いスピードでダイヤモンドを回ったアブレイユは、ホームを踏んでからも減速せず、ダグアウトの前に出てきたチームメイトの前に滑り込んだ。
上の写真は、打った直後。下の写真は、滑り込む直前だ。
今シーズンは、ホームランが出ていなかった。開幕から196打数目のシーズン初本塁打だ。昨シーズンを含めると、260打数ホームランなしに終止符を打った。
このストリークは、メジャーリーグ記録とは程遠い。ただ、アブレイユは、シーズン30本塁打以上が5度のスラッガーだ。昨シーズンは15本塁打ながら、その前の2021年は30本のホームランを打っている。
また、昨オフ、シカゴ・ホワイトソックスからFAになったアブレイユは、アストロズと3年5850万ドルの契約を交わした。年平均は1950万ドル。決して安い金額ではない。にもかかわらず、前日の時点では、0本塁打に加え、出場50試合で打率.214と出塁率.269、OPS.519と低迷していた。
過去9シーズンの通算は、打率.292と出塁率.354、243本塁打、OPS.860だ。例年よりホームランが少なかった昨シーズンも、打率.304と出塁率.378、OPS.824を記録していた。
昨シーズンも、開幕からホームランを打てなかったスラッガーがいた。マーカス・シミエン(テキサス・レンジャーズ)がそうだ。
シミエンは、2021年に、2年ぶり2度目の30本塁打以上となる――間の2020年は短縮シーズン――45本塁打を記録した。そして、トロント・ブルージェイズからFAになり、レンジャーズに7年1億7500万ドルの契約で迎えられた。開幕から不振に喘いだことも、アブレイユと似ている。それらについては、「前年45本塁打のスラッガーが、開幕45試合目に今シーズン1本目のホームランを打つ」で書いたとおりだ。
昨シーズン、シミエンは26本のホームランを打った。シーズン全体では、打率.248と出塁率.304、OPS.733だが、シーズン最初のホームランを打った試合以降に限ると、打率.268と出塁率.324、OPS.816を記録した。
昨シーズンのシミエンが31歳だったのに対し、今シーズンのアブレイユは36歳なので、同じように盛り返すことができるかどうかはわからないものの、シーズンはまだ110試合も残っている。
ちなみに、シミエンの昨シーズン初本塁打は、レンジャーズの45試合目、出場44試合目。アブレイユの今シーズン初本塁打は、アストロズの52試合目、出場51試合目だ。けれども、5月28日にシーズン最初のホームラン、という点は共通する。