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カーディナルスが開幕から続いていたシリーズ初戦の「連敗」を11で止める。浮上のきっかけになるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウィルソン・コントレラス(セントルイス・カーディナルス)May 8, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月8日、セントルイス・カーディナルスは、3対1で勝利を収めた。この試合は、シカゴ・カブスと行うシリーズの初戦だった。それまで、カーディナルスは、開幕から11シリーズ続けて初戦を落としていた。

筆者作成
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 イライアス・スポーツ・ビューローによると、この「連敗」は球団ワーストカーディナルスとしてのワースト。1978年のカーディナルスは、20シリーズ続けて初戦に黒星を喫したが、こちらは開幕3シリーズ目からのストリークだ。開幕戦にスタートしたシリーズ初戦黒星のメジャーリーグ最長は、1897年にセントルイス・ブラウンズが記録した14敗だという。【追記:5/10】ブラウンズ→パーフェクトズ→カーディナルス。1897年のシリーズ初戦0勝14敗は、3シリーズ目の初戦引き分け&2戦目黒星を含んでいるらしい。

 また、オプタ・スタッツは、カーディナルスの開幕からシリーズ初戦0勝11敗は、1981年のカンザスシティ・ロイヤルズ(0勝13敗)以来、と謳っている。カーディナルスの「連敗」は、ここ40年以上のワーストということだ。

 12シリーズ目にようやく挙げた初戦の白星が、浮上のきっかけになるのかどうかは、まだわからない。ここまでは12勝24敗。シリーズ初戦の1勝11敗を除いても、11勝13敗と負け越している。

 ただ、ESPNのジェシー・ロジャースによると、この試合の前日、オリバー・マーモル監督、アダム・ウェインライトジャック・フラハティウィルソン・コントレラスは、ミーティングを行ったという。コントレラスにしばらくマスクをかぶらせないことについて、監督と本人だけでなく、2人の先発投手を交えて話し合ったということだろう。この件については、「モリーナの後継者が早くも捕手失格の烙印を捺される!? 今シーズンは5年8750万ドルの1年目」で書いた。

 もしかすると、こちらは、浮上のきっかけとなるかもしれない。

 話し合いの翌日、コントレラスは、昨シーズンまでホームとしていたリグリー・フィールドで2安打を記録し、二塁打(写真はその直後)と内野ゴロにより、チームの3得点中、2点目と3点目を挙げた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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