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この選手の「デビューから10試合連続安打」は20歳以下の歴代2位。年齢不問の最長記録は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーダン・ウォーカー(セントルイス・カーディナルス)Apr 5, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ジョーダン・ウォーカー(セントルイス・カーディナルス)は、ここまで10試合に出場し、どの試合もヒットを打っている。

 ウォーカーは、20歳のルーキーだ。2020年のドラフトで全体21位に指名され、今シーズンの開幕戦でメジャーデビューした。来月下旬に21歳となる。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、1900年以降、デビューから8試合以上の連続安打を記録した20歳以下の選手は、ウォーカーが4人目。その前の3人は、1912年に12試合連続安打のエディ・マーフィー、1939年に9試合連続安打のテッド・ウィリアムズと8試合連続安打のフレッド・ハッチンソンだ。

 3人のうち、ウィリアムズは、殿堂入りしている。首位打者が6度、本塁打王と打点王は4度ずつ。三冠王は2度だ。1941年にウィリアムズが打率.406を記録したのを最後に、シーズン打率.400以上の選手は出ていない。ハッチンソンは、野手ではなく投手だ。通算95勝を挙げた。ウィリアムズには、8本のホームランを打たれている。

 言うまでもないが、マーフィーは、「大逆転」や「ビバリーヒルズ・コップ」には出演していない。通算安打は680本だ。

 年齢を問わない、デビューからの最長は17試合連続安打。1941年にチャック・アレノが記録し、2016年にデビッド・ダール(当時コロラド・ロッキーズ/現サンディエゴ・パドレス)が並んだ(「ロッキーズに現れたもう一人のルーキー。デビューからの連続安打試合で75年前の史上最長記録に並ぶ」)。当時の年齢は、アレノが24歳、ダールは22歳だった。

 ウォーカーは、マーフィーだけでなく、アレノやダールのストリークも上回るかもしれない。

 また、ウォーカーは、22年前にデビューしたアルバート・プーホルスと共通点が多い。それについては、3月に「プーホルスの「再来」が現れ、ヌートバーは外野のポジションを奪われる!?」で書いたとおりだ。

 最初の10試合で、プーホルスは、打率.389(36打数14安打)と出塁率.436、OPS1.158を記録した。長打は、ホームランと二塁打が3本ずつだ。ウォーカーは、打率.342(38打数13安打)と出塁率.390、OPS.943。ホームランと二塁打を2本ずつ打っている。

 この年のプーホルスは、ナ・リーグ6位の打率.329、11位の出塁率.403、8位のOPS1.013、11位タイの37本塁打、5位の47二塁打、5位タイの130打点などを記録し、満場一致で新人王に選ばれ、MVP投票でも4位にランクインした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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