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1イニング2度の2者連続ホームラン。これよりも珍しいのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
デビッド・ビヤー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Apr 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月3日、サンフランシスコ・ジャイアンツは、1イニングに2度、2者連続ホームランを記録した。5回表の1死走者なしから、2番のマイケル・コンフォートと3番のタイロー・エストラーダが連続アーチ。ジョク・ピーダーソンの外野フライを挟み、5番のマイク・ヤストレムスキと6番のデビッド・ビヤーも、続けてホームランを打った。

 同じイニングに2者連続ホームランが2度は、スポーツ・イラストレイテッドのマーク・デルーチによると、ジャイアンツ史上初だという。

 ただ、メジャーリーグ全体を見渡すと、さらに珍しい、1イニング2度の2者連続ホームランもある。

 21年前のことだ。2002年5月2日の試合で、シアトル・マリナーズの2人、2番のブレット・ブーンと3番のマイク・キャメロンは、1回表に2者連続ホームランを2度記録した。それぞれ、イチローの死球と内野ゴロの直後に、ホームランを打った。4番のジョン・オルルードは、二塁打と内野ゴロだった。

 同じ2人が同じイニングに2度の連続ホームランは、メジャーリーグでは、他にないはずだ。

 さらに、キャメロンは、3回表と5回表にもホームランを打った。1人の選手が1試合に4本塁打は、最多タイだ。

 なお、ジャイアンツは、5回表の4本塁打を含め、この試合で7本塁打を記録した。その1本目は、2者連続アーチと2者連続アーチの間にアウトとなったピーダーソンが、2回表に打った。6本目と7本目は9回表。こちらは連続ではないが、ビヤーのグランドスラムとブライス・ジョンソンのソロ本塁打だ。

 ビヤーとジョンソンは、昨年の夏にメジャーデビューした。ビヤーのホームランは、通算10本目と11本目。グランドスラムは初めてだが、1試合2本塁打は3度目だ。ジョンソンは、これがメジャーリーグ初本塁打となった。昨シーズン、ビヤーは、AAAの84試合で27本塁打とメジャーリーグの52試合で9本塁打を記録した。ジョンソンは、AAAの94試合で5本塁打だが、31盗塁を決めている。

 また、コンフォートは、2021年11月にニューヨーク・メッツからFAになり、今年1月にジャイアンツと2年3600万ドルの契約を交わすまで、無所属のまま過ごした(契約合意は昨年12月)。ホームランは、2021年10月2日以来だ。

 ちなみに、チームメイトによる連続ホームランは、4人が最長。それについては、こちらで書いた。

「史上9度目の「4者連続ホームラン」。菊池雄星が3人に続けて打たれた翌日に」

「史上最悪のメジャーデビュー!? 初登板で4本続けてホームランを打たれる」

「史上最長タイの「4者連続ホームラン」は辛勝。過去には負けた試合もあった!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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