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WBCのチームメイトが、決勝から10日後に先発投手として投げ合う

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・フリーランド(コロラド・ロッキーズ)Mar 31, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月31日、ニック・マルティネス(サンディエゴ・パドレス)とカイル・フリーランド(コロラド・ロッキーズ)は、ペトコ・パークで先発投手として投げ合った。

 今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でチームメイトの2人が、メジャーリーグの同じ試合で先発投手を務めたのは、彼らが1組目だ。2人は、アメリカのメンバーだった。決勝でアメリカが敗れたのは――日本が優勝を飾ったのは――10日前の3月21日だ。

 どちらも、WBCには代役として出場した。フリーランドは、ネスター・コーテズ(ニューヨーク・ヤンキース)と入れ替わり、マルティネスはクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)と交代した。

 もっとも、フリーランドは、2月上旬に発表されたロースターに入っていなかったものの、昨年12月にはWBC出場を表明していた。マルティネスも出場が予定されていたが、リリーフとしての起用が濃厚だったため、先発投手としての調整を優先させるために辞退。その後、カーショウに代わって再エントリーした。

 フリーランドは、1次ラウンドのイギリス戦と決勝の日本戦に、どちらもリリーフ登板。2試合とも、3イニングを投げて1失点だった。マルティネスは、1次ラウンドのメキシコ戦に先発登板。3点を取られ、3イニング目を終わらせることができなかった。

 今シーズンの初登板も、好投したのはフリーランドだ。最初のイニングから、スコアボードにゼロを6つ並べた。マルティネスは、フリーランドより1イニング多く投げたものの、メキシコ戦と同じく――今回はアンラッキーな面もあったとはいえ――1回表に2失点。続いて、5回表に2点を追加された。

 試合は、4対1でロッキーズがパドレスを下した。フリーランドは白星を手にし、マルティネスは黒星を喫した。

 一方、同じく3月31日には、WBCでフリーランドやマルティネスとチームメイトだったランス・リン(シカゴ・ホワイトソックス)とドミニカ共和国のメンバーとして出場したクリスチャン・ハビア(ヒューストン・アストロズ)が、ミニッツメイド・パークの先発マウンドに上がった。

 リンは、1次ラウンドのカナダ戦と準々決勝のベネズエラ戦に先発登板。5イニングで1失点と4イニングで2失点だった。ハビアは、1次ラウンドのニカラグア戦に先発登板。4イニングを投げ、三塁を踏ませなかった。

 こちらの投げ合いは、ハビアが5.0イニング――6回表もマウンドにも上がったが、先頭打者から二塁打を3本続けて打たれて降板――で3失点、リンは5.2イニングで2失点。彼らには白星も黒星もつかず、試合は、6対3でアストロズが勝利を収めた。

 なお、WBC優勝メンバーが対戦するカードについては、こちらで書いた。

「大谷翔平とラーズ・ヌートバーはいつ対戦するの!? WBCが終わり、開幕はもうすぐ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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