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吉田正尚の「4番デビュー」は日本人選手初。2安打に続いて、最後はサヨナラの場面で…

宇根夏樹ベースボール・ライター
吉田正尚(ボストン・レッドソックス)Mar 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月30日、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)は、「4番・レフト」として開幕戦に出場した。1~3番は、アレックス・バーデューゴラファエル・デバースジャスティン・ターナー。5番は、アダム・デュボールだ。

 開幕戦にメジャーデビューの日本人野手は、昨シーズンの鈴木誠也(シカゴ・カブス)に続く15人目。2001年の新庄剛志は代走(→レフト)、2012年の青木宣親(現・東京ヤクルト・スワローズ)は代打、2020年の秋山翔吾(現・広島東洋カープ)は代打(→レフト)だったので、先発出場は吉田が12人目だ。

 これまでの11人のなかに、4番としてデビューした選手はいなかった。デビューが開幕戦以外の日本人野手も、4番は皆無だ。

筆者作成
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 吉田の初打席は、緩い二塁ゴロ。カウント2-1から、3球ファウルの後に討ち取られた。スタットキャストによると、投球は84.2マイルのチェンジアップだった。2打席目は、右肘に死球。こちらは、88.7マイルのカッターだ。

 3打席目と4打席目は、シングル・ヒット。無死一、二塁からの初安打は、二塁手が飛びついたものの、それを掠めてセンターへ抜けていき、初打点も記録した。2本目は、ラインドライブが、こちらも一塁手のグラブを掠めていった。それぞれ、90.7マイルと95.3マイルの4シームを打った。後者は、グラブに触れていなければ、ファウルになっていたかもしれないが、当たりは強烈だった。

 5打席目は、2点差の9回裏、1死一、二塁。フルカウントから打った96.9マイルの4シームは、遊撃手の前に転がり、6-6-3の併殺打で試合終了と思いきや、バウンドした送球を一塁手が捕れず(記録は遊撃手の悪送球)、アウトは二塁封殺のみ。二塁走者は生還した(打点はなし)。ただ、次のデュボールが三振を喫し、レッドソックスは9対10でボルティモア・オリオールズに敗れた。

 レッドソックスとオリオールズは、4月1日に2試合目を行う。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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