昨年の「正遊撃手」と今春は「打率4割の外野手」が開幕ロースターに入れず
3月24日、ロサンゼルス・エンジェルスは、遊撃手のアンドルー・ベラスケスと2人の外野手、ミッキー・モニアックとジョー・アデルをAAAへ降格させた。
昨年、ベラスケスは、エンジェルスの遊撃手として、100試合に先発出場した。
守備に関しては、引き続き、レギュラーを務めてもおかしくない。走者としても、17盗塁を決め、失敗は1度しかなかった。けれども、打率と出塁率は.196と.236、ホームランは9本だ。今春のエキシビション・ゲームでも、打率.162(37打数6安打)と出塁率.179、0本塁打と打てていない。
ただ、エンジェルスには、ベラスケスに代わる、確固たる遊撃手がいるわけではない。デビッド・フレッチャーとルイス・レンヒーフォ、ジオ・アーシェラが守ることになりそうだ。
一方、モニアックは、エキシビション・ゲームで打率.409(44打数18安打)と出塁率.435、3本塁打を記録している。アデルは、打率.229(48打数11安打)と出塁率.275ながら、4本塁打はエンジェルスで最も多い。
こちらのマイナーリーグ行きも、サプライズではない。その理由については、今月中旬に「エンジェルスでトラウト、レンフロー、ウォードに次ぐ「第4の外野手」は誰になるのか」で書いたとおりだ。エンジェルスとしては、メジャーリーグでベンチを温めさせるよりも、マイナーリーグでプレーする機会を与えたほうがいい、という考えもあるのだろう。
モニアックもアデルも、2020年にメジャーデビューしているが、まだブレイクはしておらず、歳も若い。今年のシーズン年齢(6月30日時点)は、25歳と24歳。ドラフト指名は、それぞれ2016年の全体1位(フィラデルフィア・フィリーズ)と2017年の全体10位(エンジェルス)だ。
とはいえ、マイク・トラウト、ハンター・レンフロー、テイラー・ウォードに次ぐ、第4の外野手となるブレット・フィリップスは、守備は優れているものの、打撃は期待できない。昨年は、タンパベイ・レイズとボルティモア・オリオールズでプレーし、計83試合で打率.144と出塁率.217、5本塁打。通算でも、打率は.190に届かず、出塁率は.275未満だ。今春のエキシビション・ゲームでも、打率.146(41打数6安打)と出塁率.239、1本塁打に過ぎない。
フィリップスではなく、モニアックを開幕ロースターに入れる選択肢――その場合はフィリップスを失う可能性が生じるが――もあったように思える。