Yahoo!ニュース

エンジェルスでトラウト、レンフロー、ウォードに次ぐ「第4の外野手」は誰になるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミッキー・モニアック(ロサンゼルス・エンジェルス)Feb 21, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスの外野トリオは、確定している。左から右へ、テイラー・ウォードマイク・トラウトハンター・レンフローが並ぶ。

 2015年のドラフトで、エンジェルスから全体26位指名を受けたウォードは、昨年、28歳にしてようやく資質を開花させ、打率.281と出塁率.360、23本塁打、OPS.833を記録した。レンフローは、昨年11月にミルウォーキー・ブルワーズから移籍。過去2シーズンとも、出塁率は.315ながら、いずれも30本前後のホームランを打っている。31本と29本だ。

 アクティブ・ロースターが、投手13人と野手12人と大谷翔平の計26人だとすると、控えの外野手は1人になるだろう。

 DHの大谷は含めずに、野手のレギュラーが8人、控え捕手は1人だ。12-8-1=3となり、控えの内野手が1人なら、あと2枠が外野手であってもおかしくないが、内野はやや流動的。反時計回りに、ジャレッド・ウォルシュブランドン・ドゥルーリーデビッド・フレッチャーアンソニー・レンドーンが内野カルテットを形成した場合でも、ルイス・レンヒーフォジオ・アーシェラはロースターから外しにくい。

 また、ウォルシュ、ドゥルーリー、レンヒーフォの3人は、外野を守ることもできる。控えの4枠は、捕手1、内野手1、外野手2とするよりも、捕手1、内野手1、外野も守れる内野手1(レンヒーフォ)、外野手1としたほうが理に適う。

 一方、第4の外野手の候補は、3人いる。ブレット・フィリップスミッキー・モニアックに、ジョー・アデルだ。メジャーデビュー前のジョーディン・アダムスは、候補とは言い難い。まず間違いなく、AAあるいはAAAで開幕を迎えるだろう。

 外野トリオのうち、ウォードとレンフローは、基本的にコーナー・アウトフィルダー――レフトあるいはライトを守る外野手――なので、第4の外野手は、センターを守れる選手となる。この点で、アデルは候補から外れる。センターの経験はあるものの、メジャーリーグでセンターの守備についたのは、メジャーデビューした2020年の4試合だけ。昨年は、マイナーリーグでもレフトとライトしか守っていない。

 あとの候補2人(とアダムス)は、センターがメインのポジションだ。

 今春のエキシビション・ゲームで、フィリップスは打率.077(26打数2安打)と長打2本(ホームランと三塁打)だが、モニアックは打率.400(30打数12安打)と長打5本(ホームランと三塁打が各1本と二塁打が3本)を記録している。ちなみに、アデルは打率.229(35打数8安打)と長打3本(ホームラン2本と二塁打1本)、アダムスは打率.348(23打数8安打)と長打3本(ホームラン1本と二塁打2本)だ。

 ただ、第4の外野手として開幕ロースターに入る可能性は、モニアックよりもフィリップスのほうが高い。1月に1年120万ドルで入団したフィリップスが、ムード・メーカーとしても期待されているから……ではない。モニアックやアデルと違い、フィリップスのマイナーリーグ・オプションは、すでに切れている。マイナーリーグへ降格させるには、ウェーバー公示を経る必要があり、その期間中に他球団から獲得されるかもしれない。レンヒーフォとアーシェラも、マイナーリーグ・オプションはない。

 なお、シーズン年齢(6月30日時点の年齢)は、フィリップスが29歳、モニアックが25歳、アデルが24歳、アダムスは23歳。また、それぞれのドラフト順位は、2012年の6巡目・全体189位(ヒューストン・アストロズ)、2016年の全体1位(フィラデルフィア・フィリーズ)、2017年の全体10位(エンジェルス)、2018年の全体17位(エンジェルス)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事