WBCで吉田正尚が打った相手は現役メジャーリーガーだったのか。あるいはそうではない投手だったのか
吉田正尚は、ポスティング・システムを利用し、オリックス・バファローズからボストン・レッドソックスへ移籍した。契約は、5年9000万ドル(2023~27年)だ。レッドソックスは、オリックスに1537万5000ドルのポスティング費を支払う。それらの合計は、1億ドルを超える。
レッドソックスに入団後、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した吉田は、7試合に出場し、32打席に立ち、打率.409(22打数9安打)と出塁率.531、2本塁打と1二塁打、13打点を記録した。四球と死球は4ずつ、三振は1、犠牲フライは2本だ。今年のWBCで20打席以上の47人中、打率は6位、出塁率は4位に位置する。13打点は、今年出場したどの選手よりも多く、2017年にウラディミール・バレンティンが記録した12打点を上回り、新記録を樹立した。
32打席のうち、吉田が現役メジャーリーガーと対戦したのは、10打席だ(この記事では、昨年、メジャーリーグで投げ、現時点でメジャーリーグの球団に在籍している選手を現役メジャーリーガーとしている)。そのうち、出塁は6打席。パトリック・サンドバル(ロサンゼルス・エンジェルス)からシングル・ヒットを2本、ジョジョ・ロメロ(セントルイス・カーディナルス)からは3ラン本塁打を打ち、その他に1死球と2四球を記録した。
もちろん、まもなく始まる吉田のメジャーリーグ1年目を占うには、少なすぎるサンプル数だ。けれども、現役メジャーリーガーを相手に、ホームラン1本を含む7打数3安打は、悪くないどころか、上々の結果だろう。
なかでも、サンドバルは、昨年、先発27登板で148.2イニングを投げ、防御率2.91を記録した。日本に対して投げた準決勝も、4.1イニングで被安打4、与四球1、奪三振6の無失点。1回裏はラーズ・ヌートバー(カーディナルス)、近藤健介(福岡ソフトバンク・ホークス)、大谷翔平(エンジェルス)から三振を奪い、最初の10人中、吉田以外の9人をアウトに仕留めた。この間、吉田に打たれたヒットを除くと、外野に達した打球もなかった。
エンジェルスとレッドソックスは、4月14日~17日に4試合と5月22日~24日に3試合を行う。サンドバル対吉田、大谷対吉田、あるいはその両方が実現する可能性は低くない。
なお、WBC優勝メンバーがメジャーリーグで対戦する試合のスケジュールについては、こちらで書いた。