Yahoo!ニュース

規定打席まで一桁に迫りながら届かなかった選手は多い!? 牧原大成は「2打席不足」の昨年が2度目

宇根夏樹ベースボール・ライター
長谷川勇也 NOVEMBER 26, 2011(写真:ロイター/アフロ)

 昨年、セ・リーグで規定打席に到達した選手は、27人を数えた。一方、パ・リーグの到達者は21人だ。牧原大成(福岡ソフトバンク・ホークス)、安田尚憲(千葉ロッテ・マリーンズ)、三森大貴(福岡ソフトバンク)、中村晃(福岡ソフトバンク)の4人は、規定打席まで一桁に迫りながら届かなかった。それぞれの不足は、2打席、3打席、6打席、8打席だ。

 福岡ソフトバンクも千葉ロッテも、規定打席以上は2人ずつ。パ・リーグの他4球団は、東北楽天ゴールデンイーグルスが6人、オリックス・バファローズが5人、埼玉西武ライオンズが4人、北海道日本ハム・ファイターズは2人だった。

 それでも、福岡ソフトバンクは、リーグ最多の555得点を挙げた。選手層の厚さが、惜しくも規定打席未満の3人を生んだという見方もできる。

 過去10シーズン(2013~22年)に、規定打席まで10打席未満に迫った選手は、見落としがなければ、以下の延べ15人だ。2016年の長谷川勇也は、昨年の牧原よりも規定打席に近く、あと1打席で到達だった。

筆者作成
筆者作成

 彼らのうち、北條史也(阪神タイガース)、木村文紀(北海道日本ハム)、タイラー・オースティン(横浜DeNAベイスターズ)、牧原、三森の5人は、規定打席以上のシーズンがまだない。

 なかでも、牧原は、規定打席まで残り一桁のシーズンが2度ある。1度目の2019年は、7打席足りなかった。

 ここまでに、牧原は、通算449本のヒットを打っている。例えば、規定打席に一度も達することなく1000安打に到達すれば、トリビアとしては面白い――過去にいるのかどうかは調べていないものの、いない気がする――が、めざすべきことではないだろう。

 また、昨年の打率.301と出塁率.331からすると、ポジションが固定されず、これまでのように内外野を守ったとしても、規定打席に到達してもおかしくはない。

 なお、昨年の不足分を2打数0安打だったとして計算すると、牧原は、打率.299(3位)、出塁率.329(14位)、OPS.736(11位)となる。同様に、安田は.261(15位)と.341(13位)と.735(12位)、三森は.253(18位)と.305(23位)と.678(18位)、中村は.248(20位)と.328(15位)と.672(19位)。カッコ内は、パ・リーグで規定打席以上の21人とこの4人を合わせた、25人中の順位だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事