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WBCで4度ともベスト8以上は4チーム。すべてベスト4以上は日本だけ。直近2度の「強豪」は!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーカス・ストローマン Mar 22, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来月、ワールド・ベースボール・クラシックは、20の国と地域によって行われる。各チームのこれまでの結果は、以下のとおりだ。リストには、今回、予選で敗退したものの、過去の本選に参加したことのある3チームも含めた。

筆者作成
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 過去の結果は、日本が群を抜く。優勝2度もさることながら、4度ともベスト4以上は他に皆無だ。しかも、ベスト4以上が3度のチームもない。オランダ、韓国、アメリカ、プエルトリコ、ドミニカ共和国が各2度、キューバとベネズエラは1度ずつだ。

 日本の他に、キューバ、アメリカ、プエルトリコは、1次ラウンド敗退が一度もないので、4度ともベスト8以上ということになる。

 一方、オーストラリア、中国、カナダの3チームは、今回が5度目だが、過去4度のいずれも1次ラウンドで姿を消している。

 直近の2度に限ると、どちらもベスト4以上は、日本、オランダ、プエルトリコの3チームだ。なかでも、プエルトリコは、2013年も2017年も決勝まで進んでいる。最後は、それぞれ、ドミニカ共和国とアメリカに完封負けを喫したものの、その前の2006年と2009年を含め、4度中2度の決勝進出は、日本とプエルトリコしか成し遂げていない。

 2017年の決勝で6イニングを投げ、プエルトリコをほぼ完璧に封じたマーカス・ストローマン(当時トロント・ブルージェイズ/現シカゴ・カブス)は、今回、アメリカではなく、プエルトリコのロースターに名を連ねている。もし、プエルトリコが優勝すれば、ストローマンは「一人連覇」ということになる。

 ちなみに、異なる国・地域のユニフォームを着てWBCに出場した選手は、過去にもいる。例えば、ポール・ラトガーズは、2006年がオーストラリア、2009年は南アフリカ共和国。ブルース・チェンは、2006年と2009年がパナマ、2017年は中国だ。

 プエルトリコは、ドミニカ共和国とベネズエラと同じプールDにいる上、カルロス・コレイア(ミネソタ・ツインズ)は出場を辞退した。それでも、初優勝の可能性はあるはずだ。

 ストローマンは、ホゼ・ベリオス(トロント・ブルージェイズ)とともに二本柱を形成する。他の顔ぶれはやや心許ないが、締めくくりは万全だ。エドウィン・ディアズ(ニューヨーク・メッツ)は、現時点で最高のクローザーと言っても、過言ではない。昨年は62.0イニングを投げ、奪三振率17.13と与四球率2.61、防御率1.31を記録した。

 打線には、フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)、ハビア・バイエズ(デトロイト・タイガース)、キーケー・ヘルナンデス(ボストン・レッドソックス)らが揃う。彼らに加え、ネフタリ・ソト(横浜DeNAベイスターズ)がパワーを発揮すれば、コレイアの不在を感じさせないだろう。

 なお、プエルトリコは、ニカラグア、ベネズエラ、イスラエル、ドミニカ共和国の順に対戦する。どの試合も落とせないが、最初のニカラグア戦は、ストローマンとベリオスだけでなく、ディアズも起用せずに勝ちたいところだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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