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WBCの1次ラウンドは3勝1敗でも敗退の可能性あり!? 1勝3敗で進出は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、筒香嘉智、青木宣親、鈴木誠也 MARCH 8, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 ワールド・ベースボール・クラシックの1次ラウンドは、20の国と地域のチームが5チームずつ、A、B、C、Dの4プールに分かれ、どのチームも4試合を行う。2次ラウンド(準決勝ラウンド準々決勝ラウンド)へ進むのは、各プールの上位2チームだ。

 4勝0敗なら、2次ラウンド進出は確定する。ただ、3勝1敗だと、敗退もあり得る。

 例えば、3月9日~13日に東京ドームで行われる、プールBにおいて、以下のような対戦結果になったとしよう。

筆者作成
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 日本、韓国、オーストラリアの3チームは、いずれも3勝1敗だ。それに対し、2次ラウンド進出は2チーム。0勝4敗のチェコと1勝3敗の中国とともに、あと1チームが敗退となる。

 複数のチームが同じ勝敗(勝率)で並んだ場合は、該当するチーム同士が対戦した結果により、順位が決まる。

 もっとも、このケースでは、3チームとも1勝1敗だ。日本はオーストラリアに勝って韓国に敗れ、韓国は日本に勝ってオーストラリアに敗れ、オーストラリアは韓国に勝って日本に敗れている。じゃんけんのような状態に近い。

 勝敗で順位が決まらなければ、次は失点率だ。このケースの日本は、オーストラリア戦と韓国戦の失点の合計を、奪ったアウトの合計で割った数値が失点率となる。

 3チームが同じ失点率だと、次のラウンドへ進むチームは決まらない。3チーム中2チームが同じでも、確定するとは限らない。失点率が1位と2位タイなら、進出2チームのうち、決まるのは1チームだけだ。

 その次は自責点率を比べる。計算方法は、失点率と同様。失点を自責点に置き換え、算出する。

 さらに、失点率も自責点率も同じなら、打率によって順位を決める。それでも決まらなければ、抽選だ。

 一方、1次ラウンドで1勝3敗のチームが2次ラウンドへ進む可能性はない。

 1勝3敗が3チームなら、あとの2チームは4勝0敗と3勝1敗だ。1勝3敗が2チームだと、それ以外の3チームは、4勝0敗が1チームと2勝2敗が2チームか、3勝1敗が2チームと2勝2敗が1チームとなる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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