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田中将大から2打席連続本塁打の一塁手が「二刀流」として再スタート。年齢は28歳

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロナルド・グーズマン Apr 4, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンフランシスコ・ジャイアンツは、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)としてスプリング・トレーニングに参加する、37人を発表した。内訳は、投手が18人、捕手が6人、内野手が8人、外野手が4人。残る1人、ロナルド・グーズマンは、投手と内野手のツー・ウェイ・プレーヤー(二刀流選手)とされている。

 グーズマンは、左投げ左打ちの28歳だ。2018年にメジャーデビューし、5シーズンで計246試合に出場している。テキサス・レンジャーズで243試合とニューヨーク・ヤンキースで3試合だ。登板したことはなく、守ったのは一塁とレフトだけ。レフトは1.2イニングに過ぎない。これまでは、一塁手だったということだ。

 通算本塁打は31本。その過半数は、メジャーリーグ1年目に記録した。各シーズンのホームランは、2018年が123試合で16本、2019年が87試合で10本、2020年が26試合で4本、2021年が7試合で1本、2022年は3試合で6打数0安打、5三振と併殺打1本だ。

 ホームランのうち、通算10本目から12本目までは、2018年8月10日に、3打席続けて記録した。その1本目と2本目の相手は田中将大(当時ヤンキース/現・東北楽天ゴールデンイーグルス)、3本目はA.J.コールだった。昨年、コールは東京ヤクルト・スワローズで投げた。また、2020年9月6日には、平野佳寿(当時シアトル・マリナーズ/現・オリックス・バファローズ)からも、ホームランを打っている。二刀流に挑戦するよりも、日本プロ野球でプレーしたほうがいいようにも思える。

 グーズマンは、マイナーリーグでも野手として出場していたが、昨年はAAAの105試合で16本塁打、出塁率.344、OPS.822を記録した後、シーズン最終戦のマウンドに上がり、3人に対して投げた。結果は、与四球、与四球、奪三振だ。この登板と二刀流の関連は不明ながら、登板時の映像は、野手ではなく本職の投手が投げているように見える。また、ドミニカン・ベースボール・ソリューションズのインスタグラムには、グーズマンの投球練習の動画がアップされていて、そこに書いてある文章によると、速球は96マイル、スライダーは82マイル、チェンジアップは84マイルを記録するという。

 メジャーリーグに昇格すれば、野手と投手あるいは投手と野手として、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)と対戦する機会もあるかもしれない。グーズマンのエンジェルス戦出場は、2018~20年の計27試合。そのいずれも、大谷は登板していない。

 グーズマンが開幕ロースターに入るか、そうならなくてもシーズン途中に昇格する可能性は、皆無ではない。長年にわたって一塁を守っていたブランドン・ベルト(現トロント・ブルージェイズ)の後任は、ラモンテ・ウェイドJr.が有力だが、確定しているわけではない。左のリリーバーとしても、需要はありそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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