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9年前のドラフト全体24位が女優と婚約。ただし、今年はマイナーリーグ契約

宇根夏樹ベースボール・ライター
コール・タッカー Apr 17, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年の終わり頃、コール・タッカー(コロラド・ロッキーズ)は、ヴァネッサ・ハジェンズと婚約したらしい。今月2日、TMZスポーツがそう報じている。

 26歳のタッカーは、2014年のドラフト全体24位だ。ピッツバーグ・パイレーツに指名された。34歳のハジェンズは、「ハイスクール・ミュージカル」でヒロインを演じ、ブレイクした。

 ハジェンズと違い、タッカーはブレイクしていない。2019年4月20日にメジャーデビューし、その試合の3打席目にホームランを打ったものの、ここまでの4シーズンは、計154試合で打率.211と出塁率.259、5本塁打、OPS.573だ。

 昨年は、5月末にDFAとされ――40人ロースターから外され――ウェーバー公示中に名乗りを上げたアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍。その後、メジャーリーグに昇格することなく、シーズンを終えた。オフにFAとなったタッカーは、ロッキーズに入団したが、得たのはマイナーリーグ契約だ。ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)として、スプリング・トレーニングに参加する。

 本来の遊撃に加え、タッカーは、バッテリー以外の7ポジションを守る。また、パワーはないが、スピードはある。2017年には、A+とAAの計110試合で11三塁打と47盗塁を記録した。メジャーリーグでも、通算盗塁は4に過ぎないが、6本の三塁打を打っている。

 ロッキーズの本拠地、クアーズ・フィールドは、打球がよく飛ぶ打者天国だ。その恩恵を受け、タッカーの打撃スタッツが上向くかどうかはわからないが、相手の打球に対し、外野手として俊足を生かす機会はありそうに見える。

 もっとも、現時点では、メジャーリーグよりも、AAAで開幕を迎える可能性のほうが高そうだ。メジャーリーグでプレーするシナリオとしては、故障者が何人か出た場合に、守備の汎用性を買われて昇格、といったところだろう。

 なお、弟のカーソン・タッカー(クリーブランド・ガーディアンズ)も、ドラフト1巡目に指名された遊撃手という点は共通する。順位も近く、2020年の全体23位だ。こちらは、まだ、プロとして50試合に出場していない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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