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マイルストーンの本塁打を多く打たれている投手たち。門田博光の400号と500号は同じ投手から

宇根夏樹ベースボール・ライター
門田博光 1977(写真:岡沢克郎/アフロ)

 昨年、ブランドン・レアード山川穂高(埼玉西武ライオンズ)は通算200本塁打、大山悠輔(阪神タイガース)と森友哉(埼玉西武)は通算100本塁打に到達した。200号あるいは100号を打った相手は、レアードが山本由伸(オリックス・バファローズ)、山川が早川隆久(東北楽天ゴールデンイーグルス)、大山が柳裕也(中日ドラゴンズ)、森は上沢直之(北海道日本ハム・ファイターズ)。4投手とも、打者にとって100本区切りのマイルストーンとなるホームランを打たれたのは、これが初めてだ。

 ただ、なかには、マイルストーンの被本塁打が多い投手もいる。歴代最多は、山沖之彦の6本だ。トニー・ソレイタ落合博満ラルフ・ブライアント田中幸雄の100号、羽田耕一の200号、門田博光の300号は、いずれも山沖が打たれた。

筆者作成
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 マイルストーンの被本塁打が5本以上は、山沖だけ。歴代2位タイには、4本の9投手が並ぶ。彼らのうち、小野和義は、4本中2本を同じ選手に打たれている。門田の400号と500号だ。このパターンは、見落としがなければ、他に2組。長池徳二の200号と300号は田中章から、ランディ・バースの100号と200号は荒木大輔からだ。田中と荒木は、他にはマイルストーンのホームランを打たれていない。

 また、小野が喫したマイルストーンの被本塁打は、相手が門田ではなかった2本も含め、いずれも200本目以降だ(100号を含んでいない)。こちらは、久保康生と並び、歴代最も多い。

 マイルストーンの被本塁打が4本以上の10投手中、ブライアン・バリントン以外は、いずれも一軍で10年以上にわたって投げ、延べ6000人以上の打者と対戦している。バリントンは、2001~05年に3146人と対戦。被本塁打は50本と多くなく、マイルストーンの4本は、他の投手以上に、巡り合わせとしか言いようがない。

 現役投手では、石川雅規(東京ヤクルト・スワローズ)の4本が最も多く、石川のチームメイト、小川泰弘の3本が次ぐ。小川が打たれたマイルストーンのホームランは、2016年4月14日に長野久義(読売ジャイアンツ)の100号、2021年6月12日に柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)の200号、2021年9月29日に宮﨑敏郎(横浜DeNAベイスターズ)の100号だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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