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世紀をまたいだスラッガーたち。20世紀と21世紀にそれぞれ100本塁打以上は8人

宇根夏樹ベースボール・ライター
前田智徳 MARCH 10, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 福留孝介の引退により、20世紀に一軍でプレーした現役選手はいなくなった。福留の初出場は、1999年4月2日。20世紀に打ったホームランは29本(1999~2000年)、21世紀は256本(2001~07年、2013~21年)だ。2022年は23試合に出場し、ホームランは打っていない。2008~12年のメジャーリーグ時代を含めると、21世紀のホームランは298本となる。

 福留のように、世紀をまたいでプレーした選手のなかには、20世紀と21世紀にそれぞれ100本塁打以上が8人いる。

筆者作成
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 通算525本塁打の清原和博は、20世紀に413本(1986~2000年)と21世紀に112本(2001~06年)を記録した。こちらも、福留と同じく、最後の2008年は0本だ。100本区切りのマイルストーンのうち、100本塁打、200本塁打、300本塁打、400本塁打は20世紀に到達。500本目のホームランは、2005年4月29日に打った。

 一方、通算464本塁打のタフィー・ローズは、20世紀が136本(1996~2000年)、21世紀は328本(2001~05年、2007~09年)だ。100本目は20世紀、200本目、300本目、400本目は21世紀に打った。ローズが1990~95年にメジャーリーグで記録したホームランは13本――1992年と1995年は0本――なので、日米通算でも、200本目以降は21世紀に入ってからだ。

 清原とローズは、読売ジャイアンツ(2004~05年)とオリックス・バファローズ(2008年)でチームメイトとしてプレーした。

 2人とも、どちらかの世紀に打ったホームランが通算の70%以上を占める。清原は20世紀が78.7%(413/525)、ローズは21世紀が70.7%(328/464)だ。

 彼らと違い、広島東洋カープ一筋にプレーした2人のホームランは、20世紀と21世紀が半々に近い。通算241本塁打の緒方孝市は51.5%と48.5%(124本と117本)、通算295本塁打の前田智徳は53.2%と46.8%(157本と138本)だ。両世紀とも100本塁打以上で通算300本未満は、この2人しかいない。他の6人は、通算400本塁打以上だ。

 また、清原とローズ、緒方と前田以外の4人は、20世紀も21世紀も150本塁打以上だ。通算476本塁打の金本知憲は、20世紀のホームランがあと10本多ければ、20世紀も21世紀も200本塁打以上となっていた。

 なお、日本プロ野球とメジャーリーグの両方でプレーした日本人選手では、イチロー松井秀喜が、どちらの世紀も100本塁打以上だ。イチローは、20世紀に日本プロ野球で118本塁打、21世紀にメジャーリーグで117本塁打。松井は、20世紀に日本プロ野球で246本塁打、21世紀に日本プロ野球とメジャーリーグで計261本塁打(86本と175本)を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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