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通算300盗塁以上の「盗塁成功率ランキング」。トップ3は、西川遥輝、広瀬叔功、松井稼頭央

宇根夏樹ベースボール・ライター
松井稼頭央 FEBRUARY 25, 2008(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 1942年以降、300盗塁以上を記録した選手は、30人を数える。2021年に300盗塁を達成した2人、西川遥輝(当時・北海道日本ハム・ファイターズ/現・東北楽天ゴールデンイーグルス)と糸井嘉男(当時・阪神タイガース)が、29人目と30人目だ。

 彼らを盗塁成功率――計算式は、盗塁÷(盗塁+盗塁死)――の高い順に並べると、以下のようになる。1941年以前も含めると、坪内道則/道典も300盗塁以上だが、盗塁死が記録されるようになったのは1942年からだ。坪内は、1936~41年に100盗塁、1942~44年と1946~51年に244盗塁なので、このランキングには含めていない。30人のうち、1941年以前もプレーしている呉波/昌征古川清蔵は、1942年以降の盗塁と盗塁死から成功率を算出した。

筆者作成
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 83.8%の西川を筆頭に、30人中5人の成功率は80%を超えている。一方、70%未満も同じく5人。1985年に横浜大洋ホエールズで「スーパーカー・トリオ」を形成した一人、高木豊の成功率は65%に満たない。

 ちなみに、1985年に高木が記録した成功率67.7%(42盗塁)は、二桁盗塁の10シーズン(1983~92年)のなかで、21盗塁の1987年と並び、最も高かった。加藤博一の成功率は、1985年が72.7%(48盗塁)、通算は71.6%(169盗塁)。屋鋪要は、それぞれ、81.7%(58盗塁)と75.5%(327盗塁)だ。

 歴代5位の477盗塁を決めた高橋慶彦も、成功率は70%に届かず、206盗塁死は福本豊に次いで2番目に多い。ただ、村上龍の「走れ! タカハシ」が出版される前年の1985年は、成功率80.2%(73盗塁)を記録している。

 なお、現役選手の西川は、成功率と順位のどちらも、暫定といったところだ。来年4月には、31歳となる。けれども、盗塁の数はともかく、成功率はこれから上がるかもしれない。

 例えば、西川の次に成功率が高い広瀬叔功は、シーズン年齢(6月30日時点)が30歳以下の1956~67年が成功率81.7%(384盗塁)、31歳以上の1968~77年は成功率85.1%(212盗塁)だ。

 西川と広瀬に次ぐ成功率の松井稼頭央も、その数値はキャリア後半のほうが高い。メジャーリーグに行く前の1995~2003年が成功率81.4%(306盗塁)、メジャーリーグから復帰後の2011~18年は成功率85.1%(57盗塁)だ。2004~10年にプレーしたメジャーリーグでは、成功率85.0%(102盗塁)を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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