Yahoo!ニュース

読売から千葉ロッテに移籍のポランコは、今シーズン以上の成績が期待できるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
グレゴリー・ポランコ Aug 26, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月27日、千葉ロッテ・マリーンズは、グレゴリー・ポランコの入団が決まったことを発表した。今シーズン、ポランコは、読売ジャイアンツで138試合に出場。24本塁打はセ・リーグ4位タイながら、打率.240は規定打席に達した27人のなかで最も低く、出塁率.306はワースト6位(22位)に位置した。

 ピッツバーグ・パイレーツでプレーした2014~21年の8シーズン中、ポランコのホームランは、2018年の23本が最も多かった。20本塁打以上は他に1度。2016年の22本塁打だけだ。2021年のホームランは、メジャーリーグとAAA(トロント・ブルージェイズ傘下)の計131試合で20本だった。また、メジャーリーグ通算の打率と出塁率は.241と.309なので、今シーズンとほとんど変わらない。四球率と三振率も同様。メジャーリーグ通算の8.9%と21.6%に対し、今シーズンは8.7%と22.5%だ。

 この比較からすると、日本プロ野球2年目も、今シーズンと同じような成績の可能性は低くない。生活環境には慣れるにしても、セ・リーグからパ・リーグへ移り、これまでに対戦したことのない投手が大半を占める。

 ただ、今シーズンの千葉ロッテは、山口航輝の16本塁打が最も多かった。2021年に20本塁以上の2人、29本のブランドン・レアードと27本のレオネス・マーティン――今シーズンは15本と9本――は、どちらも、今オフに自由契約となっている。ポランコは、生粋の長距離砲というわけではないが、今シーズンと同水準のパワーを発揮すれば、チーム本塁打王になり得る。

 もっとも、来シーズン、ポランコが千葉ロッテで最多のホームランを打っても、その本数は20本に届かないかもしれない。近年のパ・リーグは、セ・リーグよりもホームランが出ていない。2020年は、パ・リーグが614本、セ・リーグは674本。2021年は、689本と760本。2022年は、613本と691本だ。3シーズンとも、それぞれのリーグのチーム平均は10本以上の差がある。20本塁打以上の人数は、2020年が6人と8人、2021年が8人と12人、2022年は4人と12人だ。こちらも、パ・リーグのほうが少ない。

 なお、今シーズンの各チーム本塁打王については、こちらで書いた。

「村上宗隆の他に「チーム三冠王」は1人だけ。千葉ロッテは、打率、本塁打、打点のチーム1位がそれぞれ違う」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事